「雑種フグ」が食卓を脅かす 毒がどこにあるか分からない

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種類が不明なフグは釣っても「確実に排除」を

   厚生労働省の「食中毒統計資料」によると、2016年のフグによる食中毒は全国で17件、31人の患者数が出たが、死者はゼロだった。ただし過去10年間の記録では、9人が死亡している。なお東京都の場合、過去5年間はフグによる食中毒は報告されていない。

   では、雑種フグによる食中毒はこれまで発生しているか。厚生労働省生活衛生・食品安全部監視安全課水産安全係に取材すると、フグの種類ごとに食中毒の統計をとっていないため、雑種フグでの被害についても記録がないとのことだ。そこで、自分で釣り上げた魚がゴマフグかショウサイフグか見分けがつかなかった際の対処法を聞いた。

   厚労省(当時は厚生省)の1983年12月2日付「フグの衛生確保について(局長通知)」では、「種類不明のフグ」については、魚体すべてが有毒なフグと同様に「確実に排除する」よう示している。雑種フグも、種類不明フグと考えてよい。一方で、雑種フグについてはまだ分からないことが多い。水産安全係の担当者は、今回の高橋准教授の研究発表を踏まえて「現在情報収集している段階で、今後適切な対応を取っていく」と話した。

   実は、ゴマフグとショウサイフグの組み合わせ以外にも、雑種フグは確認されている。山口県は2013年5月、瀬戸内海で「鑑別が困難な中間種フグの漁獲情報が複数報告されています」と注意喚起を出した。2011年5月には、同県の日本海側で、トラフグとマフグの両方の特徴が確認できる雑種が発見された。こうした雑種は、「異種のフグ類が交雑して生まれ、その特徴には個体差があるため、見た目だけで可食部を判断することは危険です」としている。

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