お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さん(34)が、所属する吉本興業の「大先輩」にあたる松本人志さん(53)に関するトラブルで、事務所が「大騒ぎ」していることを明かした。
「(吉本興業の)幹部と社長に、いま僕は『謝れ』と言われている」――。中田さんは2017年5月28日放送のラジオ番組「らじらー! サンデー」(NHKラジオ第1)で、今回のトラブルについてこう明かした。
茂木健一郎「日本のお笑い芸人は終わっている」の余波
なぜ、中田さんは事務所側から「謝罪」を要求されているのか。ことの発端は、脳科学者の茂木健一郎さんが2月にツイッター上で展開した「日本のお笑い芸人は終わっている」といった主張にある。
中田さんは4月15日に更新したブログで、こうした茂木さんの主張に賛意を表明。あわせて、茂木さんの主張を批判した複数のお笑い芸人についても、「メジャーな先輩方が全員反対派だったので、がっかりしてしまいました」などと言及していた。
このブログで中田さんは、次のようなネットニュース記事をリンク付きで紹介している。それは、松本さんが3月19日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、
「(茂木さんには)笑いのセンスがまったくないから、この人に言われても刺さらない」
と発言。この発言を受け、翌週3月26日放送回にゲスト出演した茂木さんは「誤解を与えてしまって本当に申し訳なくて...」などと松本さんに謝罪した――というものだ。
中田さんはブログの中では松本さんの名前を出していないが、
「茂木さん負けるな!と思っていたところ、大御所の番組に出演して大御所に面白くないと言われ公開処刑をされてしまいました。大御所にセンスがないとか価値を決められてしょげ返っている様子こそが茂木さんの意見通りだったのに。茂木さんの指摘、当たってたのに」
と皮肉る文章を寄せていた。
「幹部と社長に、いま僕は『謝れ』と言われている」
今回のラジオ番組で中田さんが明かしたところによれば、松本さんを暗に批判したこのブログの内容が、吉本興業の内部で問題視されたというのだ。こうした一連の経緯を説明した上で、中田さんは、
「暗に松本人志さんを批判するブログを書いたところ、吉本が全社をあげて大騒ぎし、幹部と社長に、いま僕は『謝れ』と言われている」
と状況を説明。続けて、
「ただ、僕の意思としては『謝らない』という。(中略)そういうワケで、僕も覚悟をもってやってますんでね」
などと「謝罪しない」意思を明言した。さらには、松本さんの冠番組「人志松本のすべらない話」を引き合いに、
「まあ『人志松本に謝らない話』という感じですよ。(松本さんは)『謝らんなぁ~』といま言っていると思うんですけど」
とのジョークを飛ばしていた。なお、こうした中田さんの発言について、ラジオで共演している相方の藤森慎吾さんは「(騒動は)現在進行中です!」「大丈夫ですかね、本当に...」と漏らしていた。
茂木健一郎「これぞ忖度?」
中田さんの元には、同期のお笑いコンビ「はんにゃ」の金田哲さん、「ピース」の綾部祐二さんら芸人仲間からも「謝った方がいい」とのアドバイスが寄せられているという。こうした騒ぎについて中田さんは、
「世間は騒いでいない、吉本だけが騒いでいるんですよ」
と指摘した。
さらには、「あの松本人志さんを批判する吉本の若手っていなかったじゃない」とした上で、騒動の発端となった茂木さんの主張にも言及。茂木さんの「日本の芸人オワコン」論の中には、「固定化された力関係を見せられてもつまらないっていう部分もあったと思う」として、
「(そういう意味で今回の騒動は)僕は面白いんじゃないと思いますけど、どうですか茂木さん?」
と呼び掛けていた。
一方の茂木さんは5月29日昼に更新したツイッターで、
「オリラジ中田さんに『謝れ』とおっしゃっているのは、松本人志さん本人ではないわけで、これぞ忖度?」
と反応。その上で、
「私の表現不足で、中田さんにご迷惑をおかけしてもうしわけないです。中田さんに対しては、今でも感謝しています。最後に一言。『笑いは自由だ!』」
とつづっていた。