プログラムの最終チェックを任すマイクロソフト
米国ワシントン州レドモントにあるIT大手マイクロソフトの本社。この会社は、発達障害の人の「特性」に注目し、人材登用の動きを加速させている。この2年間で29人の発達障害の人を採用した。その1人、20代の女性はプログラムの最終チェックを任されている。細部への強いこだわりが欠かせない仕事だからだ。
同社の採用担当責任者ニール・バーネット氏がこう語った。
バーネットさん「彼らは非常に細かいところによく気づきます。問題解決能力、記憶力、パターン認識力に優れています。まさに、わが社が探し求めてきた人材と言えるでしょう」
米ニューヨーク市には、発達障害専門に特化した就労支援企業がある。世界15か国で事業を展開、IT企業やコンサルト会社などを中心に、これまで約1000人以上に仕事を斡旋してきた。この会社と提携しているのはマイクロソフト、IBM、レゴ、ノキア、HOFOR、OTICONなど世界的な企業約100社。同社のCEOのトーキル・ソーフェ氏はこう語った。
ソーフェさん「世界中の企業がイノベーションをもたらす人材を確保しようと躍起になっています。経済がグローバル化する中、何か革新的なものを生み出さないと、競争には勝てません。そのためには、『他人と違うこと』はとても重要です。誰も考えたことがないアイデア、思いつき、新しい見方を提示できる人が必要になります」