若手・中堅社員が「提言」
平野氏は「今後も厳しい経営環境が続く」と危機感を強調。二つの改革は、マイナス金利時代を生き抜くために、グループの若手・中堅社員約60人が半年をかけて議論し、まとめたものだという。マイナス金利の逆風と、旧行意識が比較的薄い若手・中堅社員の「提言」をテコに、積年の課題にけりをつけた形だ。
銀行業界では、銀行と信託の法人融資部門統一について「よく踏み切れたものだ」(大手行幹部)と驚きの声が上がっている。一方、行名変更については「そのうちUFJも取って『三菱銀行』に戻し、名実ともに旧三菱銀の完全支配となるのではないか」(別の大手行幹部)と皮肉る見方も出ている。
折しも三菱東京UFJ銀では、小山田隆頭取が体調不良を理由に就任1年の異例の短さで退任する人事が決まった。小山田頭取の最後の大仕事となった二つの改革で、グループが生まれ変われるのか注目される。