「小学生でも利用できてしまう」
事業者は、未成年者とどう向き合っているのか。
多くのEコマースサービスは、利用規約で、20歳以下は親権者などの同意がないと利用ができない、といった旨の記載をしている。
「ユーザーが未成年者である場合は、事前に親権者など法定代理人の包括的な同意を得たうえで本サービスを利用しなければなりません。ユーザーが未成年者である場合は、親権者の同意の有無に関して、弊社から親権者に対し、確認の連絡をする場合があります」(メルカリ)
「Amazon.co.jpは子供向けのアマゾンサービスも販売していますが、販売する相手は成人(20歳以上)のお客様に限られます。20歳未満のお客様は、親権者または後見人が承諾する場合に限り、アマゾンサービスをご利用になれます」(アマゾン)
これらの規約は、アカウント作成時の登録ページ末尾にリンクが張られているが、規約に同意するチェックボックスや同意書の提出はない。年齢や生年月日の入力も求められない。
こうした管理体制に前述のAさんは、
「早く言えば、携帯を持っている小学生でもアカウントを作ることができます。今時の子供を取り巻く環境が電子化されている現状の中で、未成年の登録販売が制限されることなく簡単にできてしまう。作ってもらう側からすれば、規約の中に未成年の同意は記載してあるといえばそれで済むかもしれませんが、これでは保護者の同意も何も行われなくても業者側にはわからない、自己責任でということにしかならないと実感しました」
と訴えている。
事業者は、この未成年者に関する利用規約をどう担保しているのか。
メルカリの広報担当者は5月24日、
「未成年の利用に際して法定代理人の同意を得るよう求めていますが、ユーザーの利便性を考えてそれを確認する仕組みはご用意しておりません」
と答えた。年齢や生年月日の入力を求めない理由については、「サービス設計にあたっては、お客さまの利便性と安全性を考慮して決定を行っています」としている。
アマゾンの広報担当者は24日、「コメントを控えさせていただきます」と取材には応じなかった。