10代利用者増加もトラブル多発
未成年者とEコマースをめぐる現状はどうなっているのか。
ソフトウェア開発を手がける「ジャストシステム」の17年4月調査では、10代のEコマース利用経験者は男性が48.0%、女性で30.0%だった。利用金額では、1万円~5万円が21.7%、5~10万円で3.3%と高額利用も少なくない。
この調査から、若年層でもEコマースが一般化している現状がうかがえる。そのきっかけとなったのは、フリマアプリ「メルカリ」だ。
個人間Eコマース(CtoC)の分野ではこれまで、オークションサイト「ヤフオク」が20代以降のパソコンユーザーを中心に圧倒的なシェアを誇っていた。しかし、スマホから気軽に出品・購入ができる「メルカリ」が13年7月に登場し、これまでネット取引と接点の無かった10代のライトユーザーの獲得に成功した。
アマゾンも、学生向け会員プログラム「アマゾンスチューデント」を打ちだし、ライフサイクルの早い段階での囲い込みを狙う。
10代の「社会インフラ」として成長を続けるEコマースだが、一方でトラブルも頻発している。
メルカリでは、現金やチャージ済み交通系ICカード、領収書などが販売され、「マネーロンダリング」(資金洗浄)の温床になっているとの指摘が相次いだ(現在は禁止措置済み)。
アマゾンにおいては、個人や企業が「出品」する形をとるマーケットプレイスで、人気商品が定価の半額以下と「格安」で販売してあるものの、実際には商品が届かず個人情報の抜き取りやアカウントが乗っ取られるという詐欺行為が問題となっている。