「みなさんあまり知らないだろう加藤という選手を呼ぶ」と言いながら、サッカー日本代表のハリルホジッチ監督はMF加藤恒平(27)のメンバー入りを発表した。
「ほぼ1年かけて追跡していた」との言葉が示すように満を持しての招集だが、何者なのか。
「少し山口蛍に似ている」
日本代表メンバー25人は2017年5月25日に発表された。6月7日の東京スタジアムでの練習試合・シリア戦の後、13日にPASスタジアム(イラン)でワールドカップ(W杯)アジア最終予選・イラク戦を行う。
大きな注目を集めたのは中盤の加藤。16年6月からブルガリアのPFCベロエ・スタラ・ザゴラで主にボランチとしてプレーしている。ハリルホジッチ監督はこの約1年間に「現地で4試合見た。ビデオでも何試合か見た。もう一度言うが、現地で4回直接見た」と、自分の目で見て力量を測ったと強調した。
特徴は「彼はボールを奪う人という役割だ。それにしっかり組み立てもできる」とし、「少し(MF山口)蛍に似ている。蛍よりはパワーがない感じだ。アグレッシブで、攻撃でも良いパスを出せる。守備の修正役も担える。予測力のレベルも高い」とボランチとしての適性を評価している。
「すぐに(加藤を)プレーさせるというわけではない。お互いを理解するという時間が必要になる」とも話したが、3月の最終予選で負傷し、所属するガンバ大阪でも公式戦に復帰できていないMF今野泰幸について「どうなるかまだ分からない」とした上で、「もしかしたらこのような選手(加藤)が必要になるかもしれない。奪うところでアグレッシブさを持って戦える人間だ」と、今野の代役としての起用を示唆した。
その加藤は、5月25日の「サッカーダイジェストweb」でサッカー解説のセルジオ越後氏も「加藤って誰?」と言うように存在自体ほとんど知られていない。キャリアの歩み方も多くの日本人プロサッカー選手とは異なる。