戦時中の女子挺身隊を扱ったAV作品について韓国紙が「慰安婦」だと主張したことを巡り、この作品を制作したメーカーのヒビノが2017年5月26日までに発売を中止にしたことをJ-CASTニュースの取材に明らかにした。すでに同社の公式サイトからは、作品が削除されている。
「対応人員も金銭的余裕もなく、やむを得ず」と説明
この作品は、「昭和女のエレジー」というシリーズもので、勤労動員される挺身隊になった女性3人が東京近郊の軍需工場で軍人たちから性的な凌辱を受けるというストーリーだ。
6月1日に発売予定だったが、韓国の大手紙「中央日報」が韓国語のウェブ記事で5月22日、挺身隊は韓国では慰安婦も含むとされており、ネット上で非難を浴びていると報じていた。なお、日本では、挺身隊を慰安婦と同一視することは言葉の混同だとされている。
ヒビノは、取材に対し、挺身隊について、「慰安婦とはまるで違う物であると理解しています」と説明した。韓国で慰安婦を含むとされていることは初めて知ったといい、登場人物の女性3人はあくまでも日本人だと強調した。今回の作品は、日本国内での販売のみで、韓国での販売などは想定していないとし、「寝耳に水で驚きました」と困惑した様子だ。
また、「監督も当社も政治的意向は無く、大人向けの娯楽作品、アダルトファンタジーで史実に基づいておりません」と理解を求めたが、「表現者である我々ですが、社会的には非常に弱い立場で、多くの皆様がAV作品を表現行為、映像作品として理解していただけないことも多いのが現実です」と苦悩も明かした。
そして、「残念ながら、対応する人員も金銭的余裕も御座いません。やむを得ず発売を中止にする事に致しました」と事情を述べている。