医療情報サイト「ヘルスケア大学」に疑問 糾弾の医師に独占インタビュー

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

公開を続ける限り誤った情報が人の目に触れる可能性

   桑満氏はこれまでも、再三「ヘルスケア大学」の記事についてブログで内容に誤りがあるのではないかと書いてきた。日付を追っていくと、桑満氏が指摘した後に「非公開」となった記事が複数出てくる。

   また、いわゆる「パクリ疑惑」についても桑満氏は話した。「ヘルスケア大学」2016年11月17日公開の「キツネの寄生虫が原因!エキノコックス症とは」という記事についてだ。これは「更新日2017年5月20日」と記載され、現在再公開されている。

   取材で桑満氏が指摘したのは、記事中にある「人への感染経路」に関する内容の一部が、別のサイトに掲載されていた記述とまるっきり同じだった点で、17年5月16日付のブログでも触れている。オリジナルとみられるものは15年9月16日付で「北海道石狩振興局」が書いたものだ。一方で記事の公開日は16年11月17日。これは、桑満氏が直接リッチメディア側に伝えたが、先方の反応は「調べます」だったと明かした。同氏の17年5月20日付ブログには「明らかにパクって構成された記事については、社長に直接お伝えしました」との記述がある。

   なお5月25日現在、該当部分には「参考文献」として、石狩振興局と北海道保健福祉部のサイトで参照した個所のURLが明記されている。記事の更新日は17年5月20日付で、桑満氏がブログで指摘した日の後だ。

   リッチメディアは17年5月10日に「ヘルスケア大学に対するWebメディア上での疑義に関してのご報告と今後の取り組み」を同社サイト上で公表した。ここでは具体的に見出しとURLを挙げた2本の記事を含め、「一部の記事で指摘の通り修正が必要であることを確認しております」と説明。そのうえで「指摘を受けた記事に関しては、記事を非公開とした上で修正し、医師の監修等の然るべき手順を踏んだ上で、再度公開いたします」とした。

   さらに5月22日には「弊社サービスをご利用頂いている皆さまへ」と題して、記事内容の精査について、同社のスタンスと見解を再度発表。「指摘を頂戴しているものについては弊社内で確認がとれ次第、修正」「指摘を頂戴していないものについても再度、自社の企業努力として精査」をする点を示した。

   だが桑満氏は、サイト運営を続けながら何万ページもある記事を一定期間内で、専門的な目で精査完了できるのか懐疑的だ。公開を続ける限り、仮に誤った内容があっても見つけられるまでは人の目に触れる可能性がある。現段階で被害の声はないが、もしも深刻な病気やけがの情報で誤りが残り続けたら、影響が出ないとは言い切れないと心配する。第三者が「コピペ」して、知らないところで間違った情報が拡散しないとも限らない。だからこそ、いったん立ち止まってサイトを一時閉鎖した方がいいのではないかと主張する。

姉妹サイト