「こういう方が国民の代表をやられているのは、少し残念ではありますね」――。元総合格闘家の須藤元気氏(39)は2017年5月25日夕、J-CASTニュースの取材にこう話した。
須藤氏の語る「こういう方」とは、「(がん患者は)働かなくていい」発言で物議を醸した自民党の大西英男衆院議員のことだ。須藤氏は24日、大西氏の公式サイト上で「須藤元気」の名前と推薦文が「無断」で掲載されているとして、大西氏側に抗議していた。
「ほとんど話もしたことがない」
確かに、大西氏の公式サイト上の「推薦人」紹介ページには5月24日時点で、「須藤元気」の名前と共に、
「私は大西先輩が大好きです。元気で何事にも前向きな大西先輩に会うと、私も勇気が沸いてきます」
などとした紹介文があった。この紹介文の上部には、大西氏と須藤氏の2ショット写真も掲載されていた。
だが、須藤氏は25日のJ-CASTニュースの取材に、こうした大西議員への推薦文について、「書いていません」と断言する。そもそも、大西議員とは「ほとんど話もしたことがない関係」で、推薦文のような趣旨の会話も「交わしたことはありません」という。
須藤氏によれば、10年ほど前に参加した書道関係のパーティで一度だけ大西議員と同席した。サイトに掲載されていた2ショット写真は、この時に撮影されたものだという。ただ、このパーティには30人近くが参加していたため、「誰と写真を撮ったのかさえ、覚えていませんでした」とも振り返った。
この件について須藤氏は、24日に秘書を通じて大西氏の事務所に抗議のメールを送付。その上で、自身のツイッターでも以下のように呟いていた。
「今話題になっている大西議員のホームページに僕が推薦人になっていると知人に教えてもらいましたが僕は推薦文を書いてません。何かのパーティで一度お会いした記憶はありますが、お話すらほとんどしていません。政治家の倫理観はどうなっているんでしょうか?」
大西氏側「了解を得たものと誤解していた」
須藤氏側の抗議を受け、大西氏の公式サイトには25日朝、
「10数年前の状況を確認しましたところ、(須藤氏に)ご許可を得たものと誤解し、ホームページに掲載していたことが判明いたしました。須藤元気さんをはじめ関係者の方々にはご迷惑をおかけし、大変申し訳ありませんでした」
という謝罪文が掲載された。その上で、「今回の私の発言を契機とした一連の騒動で、推薦者の方々にご迷惑をおかけする」ため、公式サイト上の推薦人紹介ページを削除したとも伝えている。
大西氏の事務所担当者は25日夕のJ-CASTニュースの取材に対し、須藤氏の推薦文をサイト上で公開していた経緯について、
「(こちら側で)文書を作ることも含めて、人を介して(須藤氏の)了解を得たものと誤解していました」
と話した。
ただ、須藤氏によれば、今回の件で大西氏側から直接的な謝罪は受けていないほか、抗議のメールに対しての「返信」もない状況だという。そのため、大西氏が推薦人ページを削除したことも、サイト上の謝罪文を通じて知ったという。
須藤氏は今後、大西氏側に何らかの対応を要求する予定はないというが、今回の「推薦」騒動についての感想を尋ねると、
こういう方が国民の代表をやられているのは、少し残念ではありますね」
と話していた。