ソフトバンク株、微妙な一進一退 「トランプリスクの陰」との関係

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

米政権の政策遂行能力に疑問符

   スプリントはソフトバンクが2013年に買収して以降、通期ベースで一度も純損益が黒字になっていない。成熟市場で競争が激化する中、TモバイルUSとの再編に活路を探るが、寡占化を懸念するオバマ政権下では認められなかった。規制緩和に積極的とされるトランプ政権に交代し、統合が認められる可能性が急浮上。今回、5月10日の記者会見で孫社長も「積極的に再編交渉に臨む」と表明し、市場に一時、期待が広がった。その期待に持続力がないのは、米連邦捜査局(FBI)長官解任をきっかけに「ロシアゲート」の疑惑が広がるなど、常にあれやこれやでトランプ政権の足元がふらつき、政策遂行能力に疑問符がつくからだ。実際、公約に掲げた大型減税の具体化はいまだ見通せないのが実情だ。

   ソフトバンク株はその後も、サウジアラビアの政府系ファンドと組成し、米アップルや台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業なども出資する「10兆円ファンド」の発足発表を受けた5月22日に終値で前営業日比1.9%高の8535円とやや伸びる場面もあったが、やはり持続力にかけ、23日には反落するなど一進一退だ。業績や戦略は悪くないが、株価が上昇局面に入りきれない。「しばらくは米政権の政策実行力が株価のカギを握る」との見方も出ている。

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