発言は「特定の政派の政治的主張に同調したものと解釈される可能性」
こういったことを踏まえて、国外のメディアも相次いで発言を伝えている。韓国の通信社の「ニュース1」は
「日本の自衛隊の最高指揮官が政治的中立性の是非に巻き込まれた」
などと発言を伝え、その理由を
「安倍首相が自民党の総裁を兼ねている点を考えると、河野幕僚長の関連発言は、特定の政派の政治的主張に同調したものと解釈される可能性があるからである」
と解説した。聯合ニュースや中国共産党系の環球時報は、「政治的中立めぐり議論」の見出しで、事実関係を淡々と伝えた。
国内からは批判も出ている。共産党の穀田恵二国対委員長は5月24日の記者会見で、発言を「許されない」と批判。発言は、憲法尊重擁護の義務をうたう憲法第99条を「真っ向から踏みにじる」とした。
与党議員からは歓迎論も出ている。陸上自衛隊OBで佐藤正久参院議員(自民)は、ツイッターに
「多くの自衛官の思いも同じだと思う。憲法に自衛隊の存在やその任務が明記されれば、無用な批判誤解は無くなる」
と書き込んだ。
菅義偉官房長官は5月24日午前の会見で、
「あくまでも個人の見解として述べたということで、全く問題あるとは思っていない」
と述べた。