内閣官房長官、財務相などを歴任した元衆院議員・与謝野馨さんが亡くなった。2017年5月24日、菅義偉官房長官が会見で認めた。78歳。
政策通と評され、閣僚ポストを歴任。4月30日には、除名処分を受けていた自民党に7年ぶりに復帰したばかりだった。
自民、民主の両政権で閣僚を経験
東京生まれ。歌人の与謝野晶子さんの孫にあたる。東京大学法学部を卒業、日本原子力発電を経て、1976年に衆院初当選を果たし政界入り。94年に文部相として初入閣を果たし、以後通産相、党政調会長などを務めた。
自民党下野後の2010年に離党、「たちあがれ日本」の結党に参加し、除名処分を受ける。その後、11年には民主党の菅直人内閣で経済財政担当相として入閣し、波紋を呼んだ。咽頭がんを患ったこともあり、12年の衆院選には出馬せず、政界を引退。
趣味人としても知られ、囲碁はアマ7段、またカメラも玄人はだしだった。また、パソコンの「自作」という意外な趣味もあり、ニコニコ動画のイベントでその腕前を披露したこともある。
公式サイトの連載は1月で終了
公式サイトでは2015年以来、「私の歩んで来た道」と題し、自らの半生をつづっていたが、1991年のPKO国会をめぐるエピソードを最後に、2017年1月19日付の第60回で「最終編」となり、事実上打ち切られていた。
2月の千代田区長選には甥の信氏が自民都連の推薦を受けて出馬、この際、週刊文春の取材に応えて、「(信氏を)かげながら応援しています」との直筆ファクスを寄せていたが、すでにこのとき入院中だったという。
菅官房長官は24日の会見で、「長きにわたって日本の政治・行政分野で多大な貢献をなされた方であります。特に第1次安倍改造内閣においては官房長官を務められました」として、以下のようにコメントした。
「国会や政府における大変長い経験の中で、きわめて幅広い分野において政策に優れ、精通されて、政界屈指の政策通とも言われました。特に経済と財政、金融分野の中では大変な活躍をされました。謹んでご冥福をお祈り申し上げたいと思います」