大相撲の横綱・稀勢の里(30)が、2017年の夏場所を11日目から休場する。日本相撲協会が2017年5月24日朝、発表した。
原因は先場所終盤に負った左上腕二頭筋損傷のため。得意の左が使えるか否かは今場所最大の焦点だったが、限界が来た。
10日目までに4敗「相撲にならない」
3連覇がかかる夏場所だったが、稀勢の里は初日に小結・嘉風、4日目に前頭筆頭・遠藤に敗れ、序盤で2敗。9日目には前頭4枚目・栃煌山相手に張り差しに出たが効果なく、両差しにされて簡単に寄り切られた。10日目は関脇・琴奨菊が立ち会いから一気にがぶり寄り。稀勢の里は左差しどころか何もさせてもらえず、横綱・大関戦を前にして4敗目を喫した。
10日目終了時点で白鵬と日馬富士の両横綱が全勝を続けており、稀勢の里の優勝は絶望的となった。休場が発表されたのはその翌朝だった。稀勢の里は10日目夜、師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)に「中日を過ぎてちょっと力が入らない。これでは相撲にならない。休場させてほしい」と申し出たという。
協会には約1か月の加療が必要との診断書を出した。負傷しながら逆転優勝した先場所後にも、左腕を治すのに1か月の加療が必要との診断書を提出し、4月の春巡業を休場した。夏場所での完全復帰に向けて調整を続けてきたが、強行出場の代償は大きかった。
夏場所初日から10日目まで、左腕にがっちり巻かれたテーピングは変わらず、力の入らない相撲が続いていた。今後、次の名古屋場所での完全復帰に向けて治療に専念するとみられている。