医者は若い方がいい? 患者死亡率がベテラン医師より低い

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   2016年に医師の性別と患者の死亡率や再入院率の関係を調査し、女性医師の方がどちらの数値も低くなっているという興味深い調査結果を発表したハーバード公衆衛生大学院の津川雄介氏が、今度は医師の年齢と患者の死亡率などとの関係を分析した新たな研究結果を発表した。

   年齢を重ねたベテラン医師ほど患者の死亡率は低いのではないかと思われたが、意外なことに若いほど死亡率が低くなっているという。

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70代以上の医師では死亡率14%

   今回津川氏が発表した論文は「Physician age and outcomes in elderly patients in hospital in the US: observational study.」で、英国医師会誌に2017年5月16日掲載された。

   調査内容は2011~2014年の間に内科へ入院した65歳以上の患者約73万人の死亡率や再入院率、医療費に担当した医師の年齢がどのような影響を与えているのか分析した。専門が異なる医師では条件が大きく変わってしまう可能性があるため、担当医は入院患者のみを治療する内科医か一般内科医に限定してある。さらに患者の年齢や性別、発症した病歴、収入など容体に影響を与える可能性がある条件は調整し、同じ病院に勤務する年齢の上の医師と若い医師を比較した。

   津川氏は自身のウェブサイトで、若い医師は症状の軽い患者を担当している可能性もあるため、患者が医師を選択する可能性が低い緊急入院時にのみに限定するなど、なるべく条件が均等になるよう調整したと記載している。

   その結果はなんと、担当医の年齢が若いほど患者が入院30日以内に死亡する確率(30日死亡率)が低いというものだった。

   年齢別にみると60歳以上の医師は12.1%だったのに対し50代では11.3%、40代では11.1%となり、40歳以下では10.8%。また、60歳以上になると患者の死亡率はより急に上昇し70代の医師では最大14%以上にまで上がっていた。調査対象の患者数が73万人と巨大であることを考えると、10%と14%の差は小さくない。

   担当している患者数が影響を与える可能性を考え、担当している入院患者の数が多いか少ないかで分析を行ったところ、年間の担当患者数が少ないか中等度の医師では年齢が上がるほど患者の死亡率が上がり、担当患者数が多い医師では年齢と患者の死亡率の間に関係は認められなかったという。

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