経産省、天下り先だから知らんぷり? 商工中金「不正」の深層

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事実上のノルマ、職員の評価対象にも

   第三者委員会が公表した報告書によると、不正の背景には「危機対応融資が商工中金の存在意義を示す極めて重要な業務」と位置付けられており、本部が支店に事実上のノルマとして目標を課し、職員の評価対象にもしていた。融資実績が維持できなければ予算を削られてしまうとの認識があったという。つまりは過大なプレッシャーの下、職員が不正に走ったというわけだ。

   ただ、この調査の対象は融資全体の約1割に過ぎない。世耕弘成経産相は全容解明のためには全件調査が必要だとしており、今後の調査で不正が拡大する可能性がある。

   商工中金トップは2代続けて経産省OBが務めている。安達社長の前任で、不正が行われた当時の杉山秀二社長も事務次官経験者。経産省にとって商工中金は最重要な天下り先の一つ。それだけに「経産省は不正に気付きつつも知らんぷりしてきたのでないか」との批判は政府内から出ており、監督官庁である経産省にも厳しい目が向けられている。

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