正しい枕を使って「無呼吸」改善へ
座りっぱなし防止には、掃除や洗濯など運動以外で消費するエネルギーを増やす。早速藤本さんは、自宅で食器洗いだ。
夫の余命が9年と聞いた妻・優樹菜さんは「ふざけるなよ、いい加減にして」となぜか激怒し、「まだローンが33年で...」と続けた。実は家でも心配ごとがあったと打ち明ける。
「寝てるとき、呼吸が止まるんですよね。結構長めに...」
そこで、藤本さんが自宅で睡眠中を撮影した。大きないびきをかいて眠るが、寝始めてから3時間すると、突然15秒間呼吸がストップした。さらにその後、今度は25秒も止まった。こうした無呼吸は、ひと晩で6回を数えた。
これは、軽度の睡眠時無呼吸症候群だという。もし1時間で無呼吸が20回を数えたら、5年後の死亡率は16%、8年後には40%になるという。さらに健康な人と比べて、夜間の突然死リスクが2.6倍に達するのだ。
無呼吸を解消するために、整形外科医の山田朱織氏が「正しい枕」指南をした。山田氏は「枕専門外来」を開設している。枕の高さが変わると無呼吸やいびきの状態が変わり、その高さを維持できる硬さも重要だと話した。藤本さんが使っていた枕は柔らかく、首が沈み込んで呼吸がつらそうだった。早速枕を変えた。
こうした努力の結果、2回目の検査で悪玉コレステロール値が217mg/dlから129mg/dlへと大幅に改善し、余命は9年から30年に延びた。