弁護士にできて、パラリーガルにできないことは?
弁護士にとってもありがたみが大きいようだ。弁護士法人・響の徳原聖雨弁護士は取材に対し、「パラリーガルは、弁護士並みの専門的知識を持つ人もおり、弁護士とともに法的な問題に取り組むとき、事案解決のための新しい視点を示してくれることがあります。相続手続きでの多くの必要書類準備など、物理的に大変な業務についても助かります。弁護士は日々の業務に追われているので、弁護士が作成した文書に誤字・脱字がないか、内容に齟齬(そご)がないかなどもチェックしてもらえるという点もありがたいです」と話す。また、その存在の大きさをこう述べている。
「基本的に、法律に関わる事務をするのは弁護士です。しかし、弁護士もひとりの人間ですので、行き届かない部分を補ってくれる存在です。縁の下の力持ち、というよりは、車の両輪のようにどちらかが欠ければ走ることができない存在といえます」
協力して仕事を進める弁護士とパラリーガルだが、弁護士ができてもパラリーガルにはできない行為がある。徳原弁護士は「弁護士法上、相手方と交渉をするのは弁護士しかできません。そのため、相手方への電話交渉や裁判への代理人としての出廷などもパラリーガルはできません。パラリーガルはあくまでも、弁護士が交渉をする上でスムーズに進むよう、サポートをしてくれるのです」と答えている。
徳原弁護士がその根拠規定にあげた弁護士法第72条には、弁護士以外の者について「報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」と定めている。