現金、領収書――フリマアプリ「メルカリ」で売買される奇妙な商品がひところ話題になったが、変わった出品はまだまだある。
最近、ネットの一部で目を引いたのは、大学などを卒業した際に与えられる「学位記」だ。
いったい何に使うの?
「京大の学位記入れになります。全学部共通です。2017年3月24日のものなので、状態は言うまでもなく良好です。コメントなしでのご購入可能です。お値下げ交渉もいたしますので、お気軽にコメントしてください」
メルカリで「学位記」で検索すると、2017年5月中旬時点で、上記のような出品が30件以上引っかかる。
学位記は、大学などが卒業・修了者に、学士、修士、博士などを授与したことの証明として発行するものだ。卒業式で受け取った経験がある方も多いだろう。
とはいえほとんどの出品では、上記のように「中身」、つまり個人名の書かれた「学位記」そのものは入っていない。つまり、出品されているのは単なる「学位記入れ(証書フォルダー)」のみである。そんなものに価値が付くはずが――と思いきや、上記の学位記入れは、なんと2万2000円という高値で買い取られている。
いったい何に使うのだろうか。ツイッターなどでは、「学歴詐称する以外に使い道あるんですかね?」「婚活とかで学歴詐称しちゃって婚約寸前まで行った奴がバレないように買ったんじゃないかと個人的には思ってる」など、いろいろの見方がある。2ちゃんねるなどの掲示板では、自身の学生証などの写真を公開し合う不毛な「学歴バトル」が時折発生するが、そのために使うのでは?といううがった見方もある。
落札されない大学も
目的はひとまず置いておいて、出品されている「学位記入れ」の価格を比較してみよう。
出品が多いのは、早稲田大学、慶應義塾大学、東京工業大学、そして上記にも挙げた京都大学だ。ほかにも、名門大学がずらりと名を連ねている。
実際に取り引きが成立したケースが確認できる大学の平均落札額を比較すると、こんな結果になった。
1位:慶應義塾大学(2万1000円)
2位:早稲田大学(1万7250円)
3位:京都大学(1万3500円)
4位:一橋大学(1万2000円)
5位:東京工業大学(3500円)
ライバル・慶應と早稲田が、そのブランド力を生かしてか1位、2位に。わずかに慶應の方が上を行った。なぜか買いたたかれていたのが東工大で、落札に至らなかった出品も、5000~6000円とずいぶんお安めだ。
まだ成約していない出品では、明治大学が2万2000円、大阪大学1万4000円、上智大学9800円、白百合女子大学で7000円といった値付けがされている。最も高額なのは、やはりというべきか東京大学で、なんと13万円! コメント欄を見ると、
「これを買ったら東大卒ですか!?」
「20000円で購入希望です」
「学位記入れでなく学位記そのものを購入することは可能でしょうか」
といった書き込みが寄せられているが、残念ながら今のところ買い手は見つからないようだ。