「内田茂を喚問しないなら、百条委員会はとんだ茶番劇」
猪瀬氏は12年12月、副知事から石原慎太郎氏の後を継いで自民党などの支援を受けて都知事選に当選。だが13年11月、医療法人徳洲会グループから政治資金報告書に記載のないまま5000万円を受領したことが発覚し、同年12月に都知事を辞任した。この間、自民都連からも強く批判を受けた経緯がある。
こうしたこともあり、猪瀬氏はその後自民党都連に対する批判を強め、16年7月に行われた先の都知事選では、内田氏への「恨み」とも取れる批判的な発言を繰り返してきた。
特に同月6日に「NEWS PICKS」上に投稿したコメントでは、「内田茂自民党都連幹事長は既得権益の権化として都議会に10数年君臨してきた」「自民党都連会長は石原伸晃(当時)だが、会長は帽子で国会議員や都議会議員の公認権は都連幹事長の内田が握っている」「問題はメディアである。都庁記者クラブは社会部で若い記者の通過場所で深堀がない。都庁の人事情報などを入手するため内田詣が慣例となっている」と内田氏を何度も名指ししながら、都議会、自民都連、メディアに対しても絶大な影響力を及ぼしていると主張した。
都知事選投開票が行われた同月31日夜、テレビ東京の選挙特番に出演した猪瀬氏は、内田氏を念頭に「(都知事の在職中は)ボス政治にぶち当たった」と発言。所属する自民党の推薦を得ずに立候補し、当選した小池百合子都知事に対して「戦争になると思う」と激励している。
最近では、築地市場の豊洲移転問題を受けて17年3月に行われた都議会百条委員会に際して同月11日未明、「都議会百条委員会が始まるようですが、初めは90年代の副知事、東京ガスなど、1週間後に石原(編注:慎太郎・元都知事)さん。もし石原さんをもてあそぶだけで終わり、『都議会のドン』内田茂を喚問しないなら、百条委員会はとんだ茶番劇ということになります」と引き合いに出していた。