がん患者ヤジの大西議員も「魔の2回生」 謝罪すれども撤回せずのグダグダ会見

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   とうとう謝罪に追い込まれた。

   がん患者に関して「働かなくていい」とのヤジを党厚生労働部会で飛ばしたとして、批判が相次いでいた自民党・大西英男衆院議員は2017年5月22日、報道陣を前に、「がん患者や、元患者の皆さまのお気持ちを傷つけたことを、深くお詫び申し上げます」と頭を下げた。

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三原じゅん子氏には「発言したことはない」と釈明

   事の起こりは15日、受動喫煙防止のための法改正について話し合われた厚生労働部会での発言だ。部会では、子宮頸がんを患った経験がある三原じゅん子参院議員が、がん患者の労働環境という観点から、防止対策の強化を訴えた。ところがこの発言に対し、出席していた大西議員が、

「働かなくていいんだよ」

というヤジを飛ばしたのだ。

   大西議員は70歳。江戸川区議、東京都議などを経て、2012年に初当選した。このところスキャンダルが相次いでいる「自民党魔の2回生」組の1人だ。大西議員自身、過去にも「失言」によるトラブルを起こしており、2014年には国会で上西小百合衆院議員に「まず子どもを産まないとだめだぞ」とヤジり、2016年には派閥の会合で「巫女のくせになんだ」と発言、それぞれ謝罪に追い込まれた経験がある。

   三原議員は19日、J-CASTニュースの取材に対し、「はらわたが煮えくり返るほどに腹が立つとは、このことかと」と怒りをにじませるとともに、ヤジの主の名前は明かさなかったものの「自分は言っていない、発言したことはない」という釈明を受けたことを明かしていた。フジテレビの取材に対しても、21日午前の時点までは発言の事実そのものをはっきり否定していたことが、22日の「とくダネ!」で明かされている。

「喫煙可能な店では働かなくていい」という趣旨

   しかし、全国がん患者団体連合会(全がん連)が18日に抗議声明を発表するなど、波紋は拡大を続け、大西議員は21日夜、自らのサイトで、受動喫煙対策について自らの持論を長文で記すとともに、

「はっきりと申し上げられることは、『(がん患者は)働かなければいい』という趣旨で発言を私は行っておらず、仮に三原議員がそのように受け取られたとしても、私自身がそういう趣旨で行った発言ではないことはその後すぐに『そういうことは言ってないでしょ』と反論していることからも明らかです。これは音声でも確認されていることです」

と訴えた。そして、新聞・テレビなどが追及を強める中で、22日午後、ついに会見を開き、がん患者などへの謝罪を余儀なくされた。

   大西議員は「釈明」として、

「『働かなくてもいいのではないか』との趣旨で発言をしたという風にとらえられておりますけれど、それはあくまで、ごくごく少数の、喫煙可能の店でのことについてであります」

という趣旨だったことを主張。発言そのものについては「撤回しない」とした。

   大西議員の発言については、各方面から批判が続いている。

   22日の「とくダネ!」(フジテレビ系)でキャスターの小倉智昭さんは、「なんなんですかね、これ。どんな言い訳をしても通用しないでしょ」と呆れた。同じ日の「バイキング」(フジ系)でも俳優の坂上忍さんが、「こういう方が出てきてしまうと、僕ら喫煙者にとってもいい迷惑なので。ほんと黙っててほしいんですよね」と厳しく批判した。

   やはり22日、民進党の野田佳彦幹事長は、定例会見で記者からの質問に答え「ひどすぎるとしか言いようがありません。議員失格というより、人間失格だと思います」と断じた。なお野田幹事長は、長年の愛煙家として知られている。

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