米国の国際食品情報協議会(IFIC)が毎年行っている「食と健康の調査」の結果が、このほど発表された。それによると、大半の米国人が健康的な食品を選びたいと思っても、情報が多過ぎて「混乱」するばかりの現状が明らかになった。
専門家らは、こうしたことが、長期にわたり米国の社会問題になっている肥満が一向に解消に向かわない原因だと指摘している。
オーガニック、遺伝子組み換えなし、にこだわりなし
IFICが2017年5月16日に発表した「2017 Food and Health Survey(食と健康の調査)」は、米国の成人1022人を対象にして17年3月、インターネットを通じて行われた。
それによると回答者の約80%が「食べるべき食品、避けるべき食品について相反する情報がある」として、別の情報に接した際に、50%以上が「選択を考えなおす」としている。調査にあたったIFICのディレクター、リズ・サンダースさんは「8割が相反する情報に接した経験あり、ということにとくに驚きはないが、半数以上の人が別の情報で考えなおすのは考えさせられた」という。
つまり、相反する情報により先の情報が信じられなくなり判断を変える人がそれだけ多いということは、社会を通じて、正確な情報をより分けられなくなっているからだ。
回答者らに「ヘルシーフード」の要素を尋ねたところ、50~60%がヘルシーな素材が多いことや、人工素材や保存料不使用―などをあげ、「オーガニック」とか「遺伝子組み換えなし」などにはこだわりはみられなかった。
ところが「ヘルシーな食生活とそうでない食生活」となると「混乱」があらわれる。回答者の多くは、食事について最も信頼できるアドバイス役として、栄養士やヘルスケアの専門家に意見を求めているにもかかわらず、実際の食品選びでは友人や家族を指導役にしているという。