フェイスブックに押し寄せる中高年 迷惑投稿に粘着イイね...それ依存症かも

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   日本で月間利用者数2700万人、全世界では同20億人に迫る最大の交流サイト(SNS)「フェイスブック」だが、日本では若い世代のユーザーが減少しているとの指摘がある。

   理由のひとつとしてツイッター上では、中高年ユーザーが大挙して押しかけてきたうえ若者にとって「ウザい」行動に走りがち、との苦情が見られる。さらにフェイスブックには「依存性あり」との研究論文がある。面倒な高齢ユーザーが「フェイスブック中毒」になって、ますます迷惑な行動をとったら...。

  • フェイスブックから離れられない…(写真と本文は関係ありません)
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あらゆる投稿に即座に「いいね!」するオヤジ

   フェイスブックは「中高年の同窓会」「中高年のおもちゃ」「おじさまたちの憩いの場」――。ツイッターでほんの少し検索しただけで、このような言葉がどんどん流れてくる。若い世代のユーザーが、友人の親や親せき、元教師といった人から「友達申請」を迫られる、果ては「若者叩き」の記事ばかりシェアしてくるらしい、といった書き込みもあった。

   中高年ユーザーからSNS上で説教されたり、付きまとわれたりしたら若者はたまらない。ただこうした話は、今に始まったことではない。「J-CAST会社ウォッチ」2012年4月10日付記事では、20代の女性が、仕事やプライベートで知り合った「アラフォー男」とフェイスブック上でつながるとしつこく絡まれ、あらゆる投稿に即座に「いいね!」をしてくるので監視されているようで気味が悪い、といった嘆きを紹介した。

   「週刊朝日」2016年8月26日号でも、困った中高年ユーザーの事例が並んだ。愛犬の死を悲しむあまり、その亡骸の写真を続々と投稿する56歳の叔母、自分の政治信条や歴史観を滔々と語る51歳上司、公開相手を制限せず、場所や孫の個人名をあけすけに書き込む76歳の母、といった具合だ。

   記事中で、ITジャーナリストの高橋暁子氏が興味深い指摘をしている。「中高年ほどSNSに対し必死になりすぎる傾向がある」という点だ。「いいね!」機能のように相手からの「承認」が得られる要素が多く、承認欲求が満たされるうれしさからやみつきになり、依存しやすいという。

   フェイスブック依存にかかわる研究論文が、米国にあった。カリフォルニア州立大学のオフィア・トゥーレル教授らのチームが2014年12月に発表した。

フェイスブック画像を見せて脳の働きを調べる

   研究チームは、18~23歳のフェイスブック利用者20人を対象に、まずフェイスブックの「依存度」を測定するために、離脱症状、抑制力の喪失、葛藤といった依存の兆候について申告させた。その1週間後、磁気共鳴機能画像法(fMRI)で、2パターンの画像テストにより被験者の脳の働きを調べた。ひとつは、4種類の画像のうち3種類は交通標識、1種類はフェイスブックのロゴで、交通標識が見えた時だけボタンを押すというテスト。もうひとつは、逆に4種類中3種類がフェイスブックに関連する画像で、それらが表示された時にボタンを押すというものだ。それぞれのテストでは、ボタンを押すべき機会は120回、そうでない機会は40回に設定され、画像はランダムに表示された。ただし「押さない」機会は連続しないようにした。画像の表示時間は0.5秒、画像表示の合間は1.5~4秒間、全く別の固定静止画を出した。

   テストとfMRIによる脳の分析の結果、フェイスブック関連の画像が表示された際、脳の中で不安や恐れといった情動にかかわる扁桃体や線条体が活発化した。扁桃体は、各種研究で薬物やアルコール依存による影響が指摘されている部位だ。さらに画像テストのスコアからみて、これら脳機能のはたらきと「依存性」は相関関係ありとした。

   論文の要約のなかで研究チームは、「少なくともこの研究レベルにおける依存的な症状において、テクノロジーに関連する『依存』は、薬物やギャンブルによる神経系の特徴を有することを示している」としている。半面、「テクノロジー依存」と薬物中毒やギャンブル依存は、脳における病因が異なっている点も言及しており、両者は全く同じというわけではないようだ。

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