阿佐ヶ谷駅(東京都杉並区)で2017年5月19日9時30分すぎ、人身事故が発生し、中央線快速電車が一時運転見合わせた。この影響で、並走する総武・中央各駅停車の遅延や、青梅線、東京メトロ東西線への直通運転見合わせなども発生した。
事故の起きた列車に、J-CASTニュース記者が乗り合わせていた。
乗客は続々とスマホを操作
荻窪駅で快速電車に乗った記者。ひと駅目の阿佐ヶ谷に到着する直前、急ブレーキがかかった。車内には「急停車します!」の自動アナウンスが鳴り響き、数秒で完全に停車した。乗車していたのは6号車だったが、先頭の数両はホームにかかっているようだ。
車内アナウンスで、この列車で人身事故が起きたと伝えられた。乗客たちは、遅刻を伝えるためだろうか、一斉にスマートフォンを操作し始める。記者も9時35分、あわてて編集部にメールを送った。
こんな時、事故の起きた列車内では、なかなか情報が手に入らない。JR東日本の運行情報サイトを見て初めて、10時20分ごろの運転再開予定だとわかった。ツイッターを見てみると、各駅で足止めとなった乗客からの「悲鳴」が続々と出ている。通勤ラッシュから少しずれていることもあって、大学生からの「2限に間に合わない」といった内容が多く見受けられた。
それから5分ほど経ち、「先頭1号車のドアを開ける」とアナウンスがあった。すぐさま通路には長蛇の列ができたが、記者は混雑が落ち着くまで、しばらく車内に残ることにした。進んでは止まる列をながめているうち、車内の電気が落とされた。
空調が切れ、窓を開けるようアナウンスが...
薄暗い車内では、空調も切られてしまったようだ。東京はこの時間、外気温は25度前後。車内はなおさら蒸し暑い。ほどなく、窓をあけるよう呼び掛ける車内アナウンスがあった。並走する各駅停車は、すでに運転再開している。出口へ向かう列と、その向こうを走り抜ける各駅停車をながめながら、長い行列にやや疲れ、シートに腰かけた。
10両編成の列車から、行列が消えたのは10時2分ごろ。記者も先頭車両に向かうことにした。ホームに係る車両には、ところどころに駅員と警官、消防署員が。3号車では、ホームと反対側のドアも開けられ、懸命な「救出活動」が行われていた。
そして1号車。「立入禁止 KEEP OUT」と書かれた黄色いテープをくぐり、ホームに降り立つ。改札側からホームには立ち入れないようで、階段や上りエスカレーターは、テープでふさがれていた。改札を出ると、阿佐ヶ谷駅の北口、南口の両方に、救急車と消防車が待機していた。
記者は600メールほど離れた東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ヶ谷駅まで歩いて会社に向かった。その後、中央線快速は10時42分ごろ、運転を再開した。その直後に阿佐ヶ谷駅を通ったという、別の記者によると、その時点でもホームの先端には10数人の警官らがいたという。