老化・病気のカギを握るテロメア ヨガとジョギングが健康長寿にいい理由

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テロメアの長さで寿命が完全に決まるわけではない

   ――めい想(ヨガ)が若さを維持するのによいということですが、これは予防医学の観点からはどういう理屈なのですか。

石川善樹医師「意外に思えるでしょうが、近年、めい想は真剣な科学の対象になっています。まだメカニズムは不明ですが、最近、めい想がストレス軽減など健康に効果があるという報告が相次いでいるため、病院などでもめい想を取り入れるところが増えています。今回面白いのは、めい想が細胞レベルでも効果があることが分かってきた点ですね」

   ――しかし、テロメアが友人やパートナーとの人間関係にも影響するというのはどういうことなのですか。

石川善樹医師「21世紀の予防医学の大発見が、『孤独はたばこと同じくらい健康に悪い』ということです。千葉大学の近藤克則先生たちが、つながりが豊かであればあるほど、健康で長生きだという報告をされています。運動やめい想は、自分でやるので効果は分かりますが、人と人との関係が、まさに細胞レベルにまで影響する、これは本当に面白い知見だと思います」

   ――テロメアは、私たちの日々の生き方に関係しているという可能性があるということですね。予防医学にはどんなインパクトがあるのですか。

石川善樹医師「注意してほしいのは、テロメアの長さで寿命が完全に決まるわけではないということ。健康を決める要因は、100も200もあり、テロメアはその指標の1つでしかありません。私たちは最新の研究に弱いですが、裏返すと、最新は検証があまり進んでいないということです。私たち研究者は、最新よりも最善の情報を見てくれと言います。今回のテロメアで言うと、運動、食事、そして、人とのつながり。昔から言われてはいることばかりです。こういう基本を大事にしてほしいです。テロメアの測定を何回も繰り返し、それに一喜一憂する必要はないと思います」
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