みなとみらい線を運営する横浜高速鉄道(本社・横浜市)が、不正な「折り返し乗車」の取り締まり強化に乗り出している。
同路線では3年ほど前から不正乗車の防止に向けて取り組んでいたが、今回は割増運賃を「しっかり頂く体制を取っている」と同社担当者は話す。
通勤ラッシュで座席を確保しようとする通勤客
横浜高速鉄道は2017年5月11日、みなとみらい線において「不正乗車防止運動」を17日~19日の各日朝7時~8時30分に実施すると発表した。乗車券を持たずに電車を利用する「折り返し乗車」について、悪質だと判断されれば「正当な運賃に加え、増運賃(編注:割増運賃)をいただきます」としている。
みなとみらい線は、横浜駅を境に東京急行電鉄(本社・東京都渋谷区)が運営する東急東横線と直通で運転されている。みなとみらい線は元町・中華街駅―横浜駅間を、東横線は横浜駅―渋谷駅間をそれぞれ走っているが、横浜駅での乗換不要で両線を行き来できる。改札でも隔てられていない。ただ、運営会社は両路線で異なる。
J-CASTニュースの取材に答えた横浜高速鉄道の運輸課担当者によると、不正乗車は、横浜駅から東横線で都心の渋谷駅方面(上り)へ向かう通勤客に多い。通勤ラッシュが起きる横浜駅から上りに乗ったのでは座れない。そこで、乗車券がない、みなとみらい線でいったん元町・中華街駅方面(下り)に乗り、数駅行く。すると上り電車の空席がぐっと増え、座席を確保しやすくなる。
担当者によると、同社では3年ほど前から乗車券がないのに、みなとみらい線を利用するこうした「折り返し乗車」を控えるよう、ポスターや車内放送で呼び掛けてきた。だがなかなか減らず、乗車券・定期券を持って正しく乗っている客からも同社に改善を求める声が届くようになった。不正乗車によってみなとみらい線の駅が混雑し、正しく利用する客へのサービスが低下すると感じた同社は、改めて今回の運動に乗り出した。