処分された文科省関係者が「逆恨み」でリーク??
この日の会見で菅氏が疑問視したのは、文書に「作成日時」や「作成部局」がない点だった。だが、朝日新聞は5月18日朝刊(東京本社最終版)で、内閣府が文科省に「官邸の最高レベルが言っている」などと伝える新たな文書の存在を報じた。この文書には、会合の日時や出席者が記されていた。
こういった点を踏まえても、政府は引き続き文書の信ぴょう性を疑問視する立場だ。菅氏は18日午前の会見で、文科省で文書について確認しているとして、
「少なくとも昨日出た内容については、出元が分からず、信ぴょう性も定かではない。今日のものも変わりない」
と述べた。
一方で、実は官邸が文書を「本物」だとみて対応しているとの見方も出ている。きわめて安倍政権に近いことで知られている、時事通信社特別解説委員の田崎史郎氏は5月18日朝放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ)の中で、17、18日に報じられたいずれの文書についても「多分本物だと思う」と発言。その上で、
「文章を流出させたのは文科省関係者であることは確実。官邸の方は、誰がリークしたか特定している」
などと説明した。文書を流出させた人については
「ちょっと問題があって処分された人。それで逆恨みしているのではないか、というのが官邸の現段階の解説」
とした。
安倍氏は3月13日の参院予算委員会で、加計学園の問題について
「働きかけて決めているんだったら、私、責任取りますよ。当たり前じゃないですか」
と答弁している。こういったことを念頭に、野党は
「忖度(そんたく)があったならば、総辞職に値する」
(民進党・蓮舫代表)と攻勢を強める。
ただ、田崎氏は同じ番組の中で、
「それ(文書が本物であること)と、安倍総理が加計学園だけを優遇しようとしたということとは結びつかない」
とも主張。
官僚による忖度と安倍氏による「働きかけ」は別問題で、政権には影響を与えないとの見方だ。