牧歌的な世界観で人気を集めたオンラインゲーム「エミル・クロニクル・オンライン」(ECO)が、2017年8月31日にサービスを終了する。運営会社のガンホー・オンライン・エンタテイメントが5月15日、公式サイト上で発表した。
ECOは2005年にサービスを開始した「老舗」オンラインゲームの一つ。それだけに、今回の終了発表がユーザーに与えた衝撃は大きかった。15日夜には終了反対を掲げた「デモ運動」がゲーム内で勃発。さらには、ゲームの存続へ向けた活動を始めるユーザーまで現れている。いったい、何が彼らをここまで突き動かすのか。J-CASTニュースは、複数のECOユーザーにその理由を尋ねた。
「クオリティーを維持した運営を行っていくことが難しく...」
「ハートフルオンラインRPG」をコンセプトとするECOは、オンラインゲーム初心者や女性を主なターゲットとした世界観で知られる作品。ユーザー同士が争うのではなく、互いに交流・協力してゲームを進めていくのが特徴だ。
ただ単に敵キャラクターと戦うだけではなく、様々な遊び方ができる点が人気の理由だった。例えば、2000種類以上用意された「着せ替えアイテム」で自分のキャラを着飾ったり、好きな家具を揃えたマイホームに友人を招待したり......といった具合だ。
そんなECOが、17年8月31日でサービスを終了する。5月15日のガンホーの発表では、サービスを終える理由について、次のように説明している。
「永続的に皆様に満足していただくサービスクオリティーを維持した運営を行っていくことが難しくなってきており、私どもとしては皆様に存分にお楽しみいただける状態のまま幕を閉じることが、エミル・クロニクル・オンラインのエンディングにふさわしいとの判断に至りました」
EOCが約12年の歴史に幕を閉じることが伝えられたこの日、サービスの終了に納得できないユーザー達が「行動」を起こした。
ゲームの市街地の一箇所にユーザーが続々と集まり、「サービス終了」に反対するデモ運動を始めたのだ。「参加」しているのは、制服を着た女子高生風のキャラから、背中に羽の生えた天使のようなキャラまで様々。そうしたキャラがズラッと整列し、
「お断りします」「却下!」「見てる?」
などと書かれた巻物のアイテムを胸の前に掲げ始めたのだ。こうした集団の一番前に立つ女性キャラは、まるで運営に訴えるかのように、画面に向けて手を大きく振っていた。
デモに参加しているユーザーの多くは、サービス終了を惜しむメッセージを「フキダシ」形式で頭の上に表示させており、そこには、
「まだECOは終わってほしくない」
「終わるなんてありえない」
「私たちはこの世界で生きている」
「ガンホー 運営 みんなの想い受け取れ」
といった訴えが書かれていた。