投資家らが「楽観しすぎていた」
こうした流れを受けて、5月18日の東京外国為替市場の円相場は、約3週間ぶりに一時1ドル111円台に急伸。大幅な円高ドル安水準となった。
一方、東京株式市場は同日10時すぎに一時300円超も急落。「ロシアゲート疑惑」とそれに伴う円相場の急騰で、ほぼ全面安の展開となった。円高で、輸出関連株が値下がりしたほか、これまで「トランプ相場」をけん引してきた金融株などが大きく売られた。
終値は、前日比261円02銭安の1万9553円86円に踏みとどまった。
そうしたなか、株式市場の見方は分かれている。ある個人投資家は、「きょうは最近の続伸もあって利益確定売りが強かったように思いますが、きっかけがきっかけだけに長引くかもしれませんね」と、「トランプ相場」の打ち止めを心配する。
一方で楽観的な見方もあり、第一生命経済研究所経済調査部の主任エコノミスト、藤代宏一氏は、「株式相場をみるときの指数に恐怖指数(VIX)があります。株価のボラティリティー(変動率)をみるのですが、一般に景気がいいと低くなる傾向にあります。これが最近、景気が上がり続けるとはいえないような状況なのに、異様に低かったんです。つまり、投資家らが楽観しすぎていたわけで、それ(恐怖指数)が正常化しただけと考えると、(今のところ、ロシアゲート疑惑が)大きなブレーキになるとは考えにくいです」とみている。
国内は企業の2017年3月期決算発表の真っ只中で、その内容も総じて悪くないこともある。