制汗、冷却、虫よけ...スプレー缶増える夏、使用と処理に注意忘れず

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   「夏日」が現れるようになり、制汗剤や冷却スプレーの出番が増える季節がまもなくやってくる。殺虫剤なども合わせて、夏はエアゾール缶製品の使用頻度が高まり、それらが原因の火災など事故も多く発生している。

   熱中症対策がさけばれるようになった近年は、スポーツ用の冷却スプレーが転用されるほか、熱中症対策用のスプレー製品も登場して市場が拡大、エアゾール缶の扱い(処理)に不慣れな人も手にする機会が増えており、地域など組織的な注意も必要だ。

  • スプレー缶イメージ
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スプレー缶火災、減少傾向も「穴開け」原因減らず

   東京都江戸川区の共同住宅で2016年5月、住人が穴あけ器具を使って制汗スプレーに穴を開けガス抜きを行い、缶内に残っていたガスが噴射した。作業を行っていたのは、お湯をわかしていたガステーブルの近くで、噴射したガスにこんろの火が引火し住宅から出火した。東京消防庁が同年7月の報道発表資料のなかで報告した火災事例の一つだ。

   住人は、手ではたいて消火を試みたが果たせず、共用廊下に設置してあった消火器で初期消火し携帯電話で119番通報した。同資料では「火気設備機器などの近くでの穴開けをすることによる火災が多く発生していることから東京消防庁では注意を呼びかけています」としている。

   この共同住宅の住人は、スプレー缶にガスが残ったまま廃棄するのは危険であることを認識してガス抜きをしていたものだが、点火したガステーブルの近くでその作業を行うことに関しては危険性の認識がなかったようだ。

   東京消防庁管内ではスプレー缶による火災は09年の207件をピークに減少傾向にあり、10年176件から15年は112件にまで減少したが16年に100件を下回ることはなかった。一方、その内訳として、穴開けは11年から16年まで毎年23~30件あって減る傾向にはなく、つまり、スプレー缶による火災に占める割合は増していることになる。

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