新学部設置は「総理の意向」なのか 加計学園めぐる「新文書」の真贋

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   安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して獣医学部を開設する計画について、特区を担当する内閣府が文科省に対して「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと早期の対応を求めたとする文書の存在が浮上した。朝日新聞が2017年5月17日朝刊の1面トップ(東京本社最終版)で報じた。

   これまで安倍氏は、加計学園から相談を受けたり、この問題で圧力をかけたりしたことを否定している。仮に文書の内容が事実であれば答弁と食い違うことになるが、政府は「怪文書みたいなもの」だとして、文書の信ぴょう性を強く否定している。

  • 新学部設置は「総理の意向」なのか(2016年8月撮影)
    新学部設置は「総理の意向」なのか(2016年8月撮影)
  • 新学部設置は「総理の意向」なのか(2016年8月撮影)

野党は「第2の森友学園問題」と追及

   政府は16年11月の「国家戦略特別区域諮問会議」で52年ぶりに獣医学部新設を認める方針を決定。事業者公募に対して加計学園のみが応募し、文科省の大学設置・学校法人審議会で審査中だ。加計学園は18年4月の新学部開設を求めている。あまりにスムーズに手続きが進んでいることから、野党は「第2の森友学園問題」と位置づけて追及。安倍氏は17年3月28日の参院決算委員会で

「加計学園から私に相談があったことや圧力が働いたということは一切ない」

と答弁し、開設への関与を否定していた。

   今回報じられた文書は、獣医学部新設を政府が認める直前の16年9~10月に文科省が作成したという。仮に文書に書かれていたようなやり取りが実際に行われていたとすれば、内閣府が首相の意向を忖度(そんたく)し、文科省に対して設置認可に向けた早期対応を求めたと受け取ることもできる。

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