いま、小学生がウーンとハマっている漢字ドリルがある。その名も『うんこ漢字ドリル』(文響社)。題名からして異彩を放っているが、最も特異なのは、全例文に「うんこ」という言葉が用いられていることだ。
2017年3月24日の発売以来、「勉強嫌いだったが、やる気になった」「笑いが止まらない」などと大きな話題になり、2か月弱でシリーズ累計148万部を超えるベストセラーになっている。
「うんこ拳法はまぼろしの武術だ」
『うんこ漢字ドリル』は、小学校の学年別に6種類。1年生から6年生までに習う漢字は1006字あり、それぞれに3例ずつ計3018の例文すべてに「うんこ」という言葉が用いられている。
「林間学校に行ってみんなでうんこをした」
「うんこを使って、がけから落ちそうな人を救う」
「うんこ拳法は、どの流派にも属さないまぼろしの武術だ」
あり得そうなものから奇々怪々なシチュエーションのものまで、思わず笑ってしまう例文がずらり。「うんこ」という言葉に過剰反応してしまう小学生の心を見事につかんだ。SNSには
「うんこに心を奪われて、有り得ないくらいドリルに集中する息子」
「国語嫌いな娘にうんこ漢字ドリル買い与えたら驚く程自主的に勉強している」
「うんこ漢字ドリルのおかげで漢字テストの点数が良くなっていってる」
といった購入者の口コミが相次ぎ、話題沸騰。親が子どもに買い与えるだけでなく、プレゼント用、自分用に購入する大人も多い。AKB48のメンバーで、おバカキャラとしてクイズ番組でも活躍する大家志津香さんも購入を報告している。
大手通販サイト「Amazon」では、本(総合)の売れ筋ランキング1~6位を『うんこ漢字ドリル』が独占(5月15日夕現在)。1位は2年生用だった。記者が訪れた都内の書店では、他の学習ドリルとは別に『うんこ漢字ドリル』専用のラックが設けられ、2年生と3年生用のものが売り切れ、その他の学年も在庫残り僅かとなっていた。