雷雨の日にぜんそくの発作が悪化する謎 死者まで出る恐怖のメカニズムが判明

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   雷雨になるとぜんそくが急激に悪化し、死亡する人が続出する。――近年、こんな恐ろしい現象があることがわかってきたが、米ジョージア大学の研究チームがメカニズムを突きとめ、気象学専門誌の「American Meteorological Society Journals」(電子版)の2017年4月19日号に発表した。

   そうでなくても雷雨の日は怖いのに、ぜんそくを持つ人はどうしたらいいのだろうか。

  • ぜんそくの人は雷雨に注意
    ぜんそくの人は雷雨に注意
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豪州で死者が3人、救急要請が4時間で1900回

   ことの発端は2016年11月、豪州のビクトリア州で雷雨によってぜんそく症状が悪化する人が続出、少なくとも3人が死亡する事故があった。同年11月24日付のCNNニュースによると、南部ビクトリア州では激しい雷雨のあった21日、ぜんそくの発作で数百人が病院の救急診療を受けた。4時間のうちに救急要請は約1900回に上り、通常より60台多い救急車や警察、消防が対応に当たった。

   豪州のぜんそく関連財団で理事長を務めるロビン・オールド氏は、CNNの取材に対しこう語っている。

「雷雨ぜんそくは、ライグラスというイネ科の植物の花粉が多く飛散している時期に嵐が重なると発生します。大量の発作患者が出た時期も非常に多くのライグラスの花粉が飛んでいました。激しい雷雨が起きると湿度が急に高くなり、花粉の粒子が水分を含み細かく割れるのです。通常なら花粉は鼻の中の毛に引っかかりますが、細かくなると肺まで到達します。そして、気管支が花粉に刺激されて腫れ上がり、呼吸困難に陥るのです」

   メルボルン大学が2500人超を対象とした調査によると、今回の雷雨ぜんそくの患者の中には、ぜんそく発作が初めてという人が多く、嵐の最中にぜんそく発作に見舞われた人のうち32%はそれまで発作を起こしたことがなかった。また、死者こそ出なかったが、イタリアでも2010年にオリーブの花粉が原因で「雷雨ぜんそく」が発生している。

   さて、ジョージア大学の4月19日付プレスリリースによると、同大学の地理学・気象学の専門家アンドリュー・グルトシュタイン教授らのチームは、豪州での気象データの分析や研究室での実験の結果、「雷雨ぜんそく」は次のようなメカニズムで起こることを突きとめた。

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