大韓サッカー協会の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長が、日本・中国・韓国・北朝鮮の4か国によるサッカーワールドカップ(W杯)共催の意向をあらためて強くしている。
「緊密に話し合えば可能性は高い」。チョン会長は以前にも4か国共催構想の考えを示しており、単なる「思いつき」の発言ではないのかもしれない。
北米3か国共催案も後押し
韓国メディアの朝鮮日報や中央日報の2017年5月15日の報道によると、チョン会長は14日、U-20W杯直前のU-20韓国代表と同セネガル代表の強化試合に際して、韓国の高陽(コヤン)総合運動場で、報道陣にW杯の構想を述べた。「韓国、中国、日本、そして北朝鮮が緊密に話し合えば、2030年W杯共催の可能性は高いと思う」とし、3国とは「まだ話し合いをしていないが、機会があれば今後するだろう」と協議の場を持ちたい考えだ。
チョン会長は「国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長も、4か国共催案に同意するものだと聞いている。韓中日は財政面でかなりアピールできる」と展望を示している。確かにインファンティーノ会長自身、17年2月に英メディア「SKY SPORTS」の記事の中で、出場国が32から48に増える2026年大会は設備や財政面での負担から「3~4か国での開催がいい」と発言していた。
チョン会長は3月2日にも「W杯4か国共催構想」を公の場で述べて驚かせたが、この時に比べて状況が変わった点がいくつかある。
W杯は過去20大会の中で、共催が02年日韓大会の1度しかなかった。だが、米国・カナダ・メキシコの北米3か国が共催をめざし、26年大会への共同立候補を17年4月10日に正式表明した。翌日11日のAFP通信によると、米サッカー連盟のサニル・グラーティ会長は「ドナルド・トランプ米大統領も共催に全面的に協力している」と述べており、ホストの最有力候補との声もすでにあがっているという。3か国での共催が実現すれば、さらに多くの国で共催するハードルは下がるかもしれない。
また、5月9日にはFIFAの最高意思決定機関である理事会のメンバーにチョン会長が就任し、国際舞台での存在感を増した。理事会は全37人で構成され、日本サッカー協会の田嶋幸三会長も名を連ねている。
日本のファンは反発も
W杯は4年に1度行われるが、FIFAは07年の決定で開催国について「直近2大会を開催した大陸以外の全地域」に立候補を認めてきた。逆に言えば直近2大会の大陸の国では開催できず、22年大会はカタール開催が決定している。そのため、このルールに則れば30年大会のアジア開催は不可能だ。
ところが、それが可能になるかもしれないと欧米メディアが報じている。米のスポーツ専門テレビのESPNは17年5月3日のWEB版で、「FIFAは『もし状況が必要となれば』直近1大会以外の大陸での開催を可能にする、という新たな提案を行う」と伝え、英テレグラフも同日この案を報じながら、「カタール開催(2022年)の8年後(2030年)にアジア開催が可能になるかもしれない」とした。
ただ同時に、この案は近年FIFAに財政面で大きく貢献している中国で開催させるねらいが強いとの憶測も出ている。英デイリーメールは「FIFAが直近1大会以外の大陸で開催できると決定すれば、2030年は初の中国開催の可能性が高まる」と展望している。
史上初の共催となった02年日韓大会では、韓国の試合をめぐって韓国側に有利な判定を取られる「誤審疑惑」が複数飛び出し、物議を醸した。日本のサッカーファンは韓国サッカー界に対してそうした印象が強く、今回の4か国共催構想についてもツイッター上では反発する声が多数出ている。
「100000%お断り」
「NOだな。単独でやれ巻き込むな」
「あいた口がふさがらないとはまさにこの事」
「単独開催できるだけの力があるんだし日本は単独開催目指せばいいと思う」