業績回復の仕方がシャープでしょ 新体制の成果と課題

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IoT事業でグローバル展開する青写真

   2016年8月の新生シャープ誕生以降、原材料や物流など従来の取引先、契約関係を一から洗い直し、「ムダ」を極小化。経営の意思決定を早めたり、業績への貢献度に応じて賞与に最大8倍の差をつける「信賞必罰」の待遇制度を導入したりして改革を進めた。鴻海との提携を前に、16年1~3月期に資産価値を見直して大幅な損失を計上。ウミを出し切っていたことも大きかった。

   ムダを削って利益を出してきたシャープだが、最大の課題は今後、右肩上がりの成長を描けるかどうかだ。液晶テレビ中心の家電メーカーから脱皮し、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoT事業でグローバル展開する青写真を描いている。

   だがIoTは、日立製作所やパナソニックなどの日本の大手電機メーカーに加え、米アップル、グーグル、マイクロソフトなど世界のIT企業がこぞって力を入れている。ここ数年の経営危機で人材流出が進み、経営資源をこの分野に振り向けられなかったシャープが遅れを取り戻すのは容易ではない。真価が問われるのはこれからだ。

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