都議選候補にオタクのプレッシャーを
山田氏は、2次創作に直結する著作権や、表現規制問題など、若い世代を中心とした漫画・アニメファンに寄り添った政治活動で有名だ。2016年の参院選では比例区から出馬、再選には失敗したものの29万票を獲得し、「オタク票」の強さを知らしめた。現在は会社経営のかたわら、表現規制問題を中心に政治活動を展開している。
小池都知事の発言や、ビッグサイト側の姿勢を受け、「このままでは解決できない」と考えた山田氏は、自ら代表を務める「表現の自由を守る会」として署名運動を開始した。
山田氏本人は立候補しないものの、署名を集め、これを背景に都議選候補らに、コミケ問題、また表現規制についての考え方を問うアンケートを行う。その結果は公表し、解決に積極姿勢を示した候補者については支援を行うことで、選挙に「プレッシャー」を与える――それが山田氏のプランだ。
3日に「Change.org」でオンライン署名を開始、12日までに約1万8000筆が集まった。予想を上回るペースで、すでに複数の都議や区議などからコンタクトもあったという。
若者を中心としたネット上の活動、民意を具体的な「数字」として可視化し、世論を作っていく。「有権者がこれだけ関心がある、というインパクトのある数となれば、候補者としては動かざるを得なくなる」とは、議員経験者ならではの予測だ。
もし無事、2020年夏にコミケが開催できれば、どんなことが可能になるか。山田氏が提案するのは、五輪・コミケの「同時開催」だ。
「世界中の人が、コミケにやってくるんです。五輪はその期間だけで終わりですが、コミケならその後、繰り返し来れるじゃないですか。よっぽどそっちの方が、インバウンドにもつながりますよ」