「酒(しゅ)さ」という、顔が赤くブツブツと荒れる病気があるのをご存じだろうか。いわゆる「赤ら顔」になるのが特徴で、よくアトピー性皮膚炎と間違われるが、女性に多い病気だ。
原因は不明だが、お酒をたしなむ女性がなりやすいことが最新研究でわかった。中でも特によくないのが白ワインとウィスキー、焼酎などの蒸留酒だ。
顔に赤いブツブツ、ピリピリと痛む
医療法人社団清優会「はなふさ皮膚科」のウェブサイトを見ると、「酒さ」についてこう説明している(要約抜粋)。
「酒さは、中高年女性に多くみられます。ほほや額などにほてりや赤みが出て、ピリピリとした刺激が続きます。敏感肌をともなうこともあります。繰り返す顔のほてりと発赤によって発症し、徐々にニキビに似た発疹も出てくることがあります。症状が長引くと鼻瘤(だんご鼻)を形成することもあります。紫外線や飲酒、寒暖の差、刺激物を食べることなどで悪化します」
原因は分かっていない。毛穴にすむニキビダニや毛細血管の拡張、慢性的な化粧品かぶれなどの可能性が指摘されている。自宅でのスキンケアだけで改善することは見込めないため、専門医の受診が必要だ。いずれにしろ、過度の飲酒や熱い食べ物、刺激の強い嗜好品の摂取は控え、紫外線などに気をつけることが必要だという。
ところで、飲酒の場合はどんなお酒に気をつければよいだろうか。米国皮膚科学会の研究班が米国科学アカデミー紀要「JAAD」(電子版)の2017年4月20日号に、アルコールの摂取量と酒さの発症リスクを調べた研究成果を発表した。
論文要旨によると、研究班は米国の健康調査の中でも最もデータが充実している米国看護師健康調査の中から8万2737人の女性を対象に分析した。1991~2005年の14年間で4945人(6.0%)が酒さと診断された。飲酒量と発症リスクを比較すると、お酒を飲む量が多い人ほど酒さになるリスクが高かった。