去就をめぐる報道が絶えないACミランのMF本田圭佑だが、今度はスペイン・リーグ2部のレバンテなどが興味を示していると、現地メディアを引用する形で日本の各メディアが報じている。
しかし、これがどこまで現実味があるかは不確かだ。
「複数のチームが関心を示している」
スペインメディア「スーペル・デポルテ」は現地時間2017年5月11日、「本田圭佑はラ・リーガ(リーガ・エスパニョーラ=スペイン・リーグ)入りへポールポジションにある。複数のチームが関心を示している」と報道。本田の代理人である兄の本田弘幸氏が、候補としてレバンテやエスパニョールといったクラブがあるという点について肯定も否定もしなかったとしている。
レバンテは現在2部リーグだが2位以下を引き離して暫定1位。来季の1部での戦いを見据えると、本田はクラブの競争力強化をする上で適切な選手になるだろうと、記事では推測している。また、本田は17年6月末でACミランとの契約が切れるため、移籍金ゼロで獲得できるのも大きいとしている。
本田は今季35節を終えて出場6試合、0得点に沈んでおり、退団は確実。そこで今回の欧州主要リーグであるスペインへの移籍報道であるから、願ってもないチャンスだと言えなくもない。日本のメディアも「レバンテが強い興味」「レバンテに加え、エスパニョールも獲得興味」「本田圭佑にスペイン触手」などと報じることになった。
だが、前出「スーペル・デポルテ」は、レバンテのムニス監督が「非常に良い選手が『8月20日』に『無料』になる。だから獲得を急ぐ必要はない」と述べたとしている。どこまで本気で本田を狙っているかは疑問符がつく。
欧州主要リーグに狙いをつけているというが...
本田をめぐっては移籍報道が飛び交い、その都度ことごとく断ったとの報道も出てきた。最近では米国MLSのシアトル・サウンダーズ移籍の可能性が浮上したが、5月11日のスポニチアネックスによると、本田は断った。提示された年俸は初年150万ドル(約1億7100万円)、最終的には倍の300万ドル(約3億4200万円)だったが、本田は18年ロシアワールドカップ(W杯)を見据え、欧州主要リーグに狙いを絞っているという。
だが、欧州主要リーグのクラブならどこでもよいというわけではなさそうだ。契約終了半年を切っていた17年1月末には、欧州主要リーグの1つイングランド・プレミアリーグのハル・シティがオファーに動いたものの、これを拒絶したとイタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報道した。下位に沈むハルは1部残留をめざして補強に動いていたという。
本田はかねてから「ビッグクラブ志向」が強く、移籍先が決まらないのはその思惑と合致しないからだとの見方も少なくない。だが、前出のように本田の成績は低迷しており、今年で31歳という年齢も相まって、ACミラン級のクラブが獲得に動く可能性は低い。今回のレバンテの移籍報道も曖昧な部分があり、インターネット上では厳しい声がいくつも書き込まれた。
「フェイクニュース」
「通用せずに試合に出れない未来しか見えない」
「本当だったとしてまったく活躍してない選手を急に欲しくなったきっかけを知りたい」
「奪い合ってるのは本田じゃなく、本田にくっついてくるジャパンマネー(スポンサーの金)なんじゃないのかな」
それでも一部では「流石にフリーで出て行くまで粘ったんだから給与さえ分不相応じゃなきゃオファーあるわ」との声もあった。本田の去就はどうなるのか。