加熱と冷凍、内臓処理の徹底こそが重要
電話取材に応じた厚労省監視安全課の担当者は、「一般論として、アニサキスは傷がつけば死滅し、そうなれば当然(口の中に入っても胃に)刺さらないと言う医師の方はいます」と話すが、同省としてはあくまでも「アニサキスが魚介類に付かないための注意喚起」を徹底しているという。
一般消費者だけでなく業者も対象としているため、目視による除去、加熱や冷凍、魚の内臓を食べないといった方法を紹介している。これらは、アニサキスが付いたまま誤って口に入れた場合の対処法という観点ではない。
国立感染症研究所の杉山氏も、予防策としては加熱と冷凍の徹底、また個人でも釣った魚は必ず内臓処理をする、生食をしない、といった注意点を挙げた。
なお、庄司さんのように複数のアニサキスが口の中に入ったというケースはしばしば起きていると杉山氏は明かした。半面、胃の中にアニサキスがいるのに全く痛みを感じず、人間ドックで初めて見つかって除去した例もある。中にはアニサキスによるアレルギー反応としてじんましんが出る人もいるという。