摂食障害、強迫性障害に
米ケーブルテレビニュースのCNNはウェブサイト版で17年5月9日付で、トレーニング依存症を扱った記事を掲載。そのなかで、米ボストン大学のパオラ・カトロモーニ准教授(保健学)は、女性のトレーニング依存症についてこう述べている。「トレーニングを始める動機は健康的。体調を整えるとか、少し減量したいとか、あるいは結婚式にそなえてとか、出産後の減量のためとか。それが、強迫観念に変化する。しかもいつまでも満足できない」
強迫観念により、トレーニングは重きを増し、仕事より、睡眠より、食事より重要なものとなり、それが高じて強迫性障害などのような病に悩むことになるという。
ハウゼンブラス教授らの研究報告によると、トレーニング依存症(exercise addiction)という言葉は、米精神医学会の「精神障害の診断と統計マニュアル」にはなく、同書にある「行動に関連した依存症」は「ギャンブル依存症」だけという。同教授らはそれだけに「トレーニング中毒の危険を認識し理解すべし」と訴えている。
ハウゼンブラス教授は、男性の依存症例として、フィットネスクラブ3か所の会員となり、午前、午後、夜にわけ1日中トレーニングを続けている例を紹介している。