楽しんご、「死ぬ手前位の病気」 腹の中に穴、で4時間の手術に

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   2017年5月9日、お笑い芸人の楽しんごさん(38)が自身のツイッターで「急性腹膜炎」で緊急手術を受けていたと書き込み、病院のベッドに横たわる写真を投稿した。

   前日には楽しんごさんの姉が代理としてツイートし、「昨日楽しんごが緊急手術をしました。4時間近くの手術でして仕事関係者の方々連絡取れず申し訳ありません」と話している。

   楽しんごさん本人は「死ぬ手前位の病気らしいです」としている急性腹膜炎だが、どのような病気なのだろうか。

  • 激しい腹痛には気をつけて
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七転八倒するほどの痛みが襲う

   「腹膜」とはおなかの内側や臓器を覆っている膜のことで、「腹膜炎」はその名の通り腹膜が何らかの原因で炎症を起こしている状態を指す。突然激しい痛みが起きる急性腹膜炎に対し、徐々に進行し症状が悪化していく「慢性腹膜炎」もあるが、今回の楽しんごさんは前者だったようだ。

   では、腹膜に炎症が起きる原因はなんなのか。徳洲会グループのウェブサイトに掲載されている「消化器外科の病気」では「原因はさまざま」としつつ、

「胃潰瘍やがんなどによる胃穿孔、十二指腸潰瘍穿孔、虫垂炎穿孔、憩室炎や便秘、がんなどによる大腸穿孔といった消化管穿孔によるものが最も多い」

と説明。つまり、臓器に穴が開いてしまうことで、内容物や微生物がおなかの中に広がってしまい、炎症を引き起こすのだ。もちろん上述の臓器に限らず、肝臓や胆のう、すい臓、女性であれば卵巣などに穴が開いた場合も発症要因となる。腹部の外傷が原因となったり、腸が何らかの理由で塞がってしまう腸閉塞などがきっかけとなることもあるようだ。

   楽しんごさんはツイッターで

「右脇腹の鈍痛に耐えながら仕事してて、限界が来て、通の盲腸かと思い手術も1時間で終わると思いきや、4時間以上掛かり、中で穴が空いててかなり重症だと」

と語っていた。右わき腹といえば肝臓や胆嚢、大腸などに穴が開いていたとも考えられる。

   症状は激しい痛みとされ、徳洲会グループは「七転八倒するほど」と表現。基本的に一般的な腹痛のように痛みが引くことはなく、持続的で消えることがないという。吐き気や嘔吐、腹部膨満感といった症状を示すこともある。

重症化すると命にかかわる

   腹膜炎は早期診断、早期手術が重要とされ、発症から手術までの時間が長ければ長くなるほど死亡率は高くなる。腹膜炎を起こす原因を解消することはもちろん、消化液や膿などで汚染されたおなかの中を生理用食塩水で洗浄する必要もあるのだ。

   前述の徳洲会の記述によると、虫垂炎であれば虫垂の切除、胃や十二指腸の穴であれば穴をふさぐ手術などが必要だという。さらに、術後もおなかの中に残っている汚染された液体を体外へ排出するため、「腹腔ドレーン」という管をおなかに通さなければならない。完全に回復するまでかなり時間がかかる病気と言えるだろう。

   楽しんごさんは「死ぬ手前くらい」としていたが、我慢をしていると炎症がおなか全体に広がり重症化し、さらには全身に呼吸不全などを起こす例もあり、命にかかわることも珍しくない。激しいおなかの痛みを感じたときは、すぐに医療機関を受診すべきだろう。

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