小児科学会、乳児ボツリヌス症の注意喚起 最初の症状を見落とさないように

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   2017年4月7日に東京都で、はちみつが原因の「乳児ボツリヌス症」を発症した生後6か月の乳児が死亡したことをうけ、日本小児科学会は4月28日に会員向けの注意喚起を発表した。

   同学会は、最初の症状を見落としてしまうと乳児ボツリヌス症と診断できるまでに時間がかかるとし、便秘ののちに筋力低下が現れた乳児は、まず乳児ボツリヌス症を疑って対応することが重要であるとしている。

  • はちみつ以外の食品にも気を配る必要が
    はちみつ以外の食品にも気を配る必要が
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井戸水も感染要因に

   乳児ボツリヌス症は、1歳未満の乳児にみられるボツリヌス菌の毒素によって発症する病気。1986年に千葉県で初めて確認され、厚生省(当時)は1987年10月に、「1歳未満の乳児にはちみつを与えないよう通知」を出し、注意喚起を続けてきた。

   乳児は腸内細菌叢(腸内フローラ)がまだ不安定で、ボツリヌス菌の感染に対する抵抗力が低いと考えられ、ボツリヌス菌を摂取すると腸内で増殖し、菌が作る毒素が吸収されて様々な症状を起こす。同学会の発表によると、便秘に引き続き、筋力が低下して脱力、哺乳力の低下、泣き声が小さくなるといった神経症状が出現するのが特徴だという。

   今回の死亡例でははちみつが原因となったが、ボツリヌス菌は土壌中に一般的に存在する細菌のため、予防には汚染の可能性がある食品を避けることと、井戸水を使用しないことが非常に重要な方法となる。同学会では1歳未満の乳児にはちみつを与えないように保護者への指導を徹底するよう医療関係者に呼びかけている。

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