銀行カードローンの過剰融資 「自主規制」で大丈夫?

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   三菱東京UFJ銀行など大手3行が、過剰融資が社会問題化しているカードローンの自主規制強化に乗り出した。「多重債務の新たな温床になっている」との批判をかわしたい狙いだが、自主規制の実効性を懸念する声もあり、問題が沈静化するどうかは見通せない。

   「過剰な借り入れにならないよう、まずは銀行自らがしっかりと確認、チェックをしていく」。全国銀行協会の小山田隆会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は2017年4月3日の記者会見でこう強調したように、積極的な対応をアピールする。

  • カードローン規制で多重債務問題は解決なるか(画像はイメージ)
    カードローン規制で多重債務問題は解決なるか(画像はイメージ)
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消費者金融は法規制

   銀行のカードローンの貸出残高は2011年ごろから急増している。「最短即日融資」「ウェブで手続き完結」などと利便性をうたうテレビCMを積極的に流し、日銀によると、2016年末の貸出残高は5兆4377億円と5年間で1.6倍に急伸した。

   急拡大の背景には、かつて個人向け無担保融資の主役だった消費者金融への規制強化がある。1990年代後半以降、複数の消費者金融から借金を重ね、生活破綻や自殺などに追い込まれる多重債務者の問題がクローズアップされた。これを受け、2006年に消費者金融からの借り入れを年収の3分の1までに制限する「総量規制」を盛り込んだ改正貸金業法が成立。2005年度末に17兆円超もあった貸金業者による貸出残高は、2015年度末に4兆円台にまで減っている。

   一方、銀行は貸金業法の規制の対象外となった。「社会的責任の大きい銀行は、きちんと返済能力を審査し、消費者金融のような過剰融資はしないはず」という信頼感が大前提としてあったのだ。

   ところが最近は、銀行のカードローンが規模で消費者金融を上回っただけでなく、利用者の返済能力を超える悪質な貸し付けも目立つ。日本弁護士連合会によると、年収を大きく超える金額を貸し出したり、収入のない人に融資したりした事例もあったという。2016年の全国の自己破産の申請件数は13年ぶりに増加に転じており、日弁連は銀行に対し、年収の3分の1を超える貸し付けをしないよう求める声明を出している。

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