お笑い芸人で芥川賞受賞作家のピース・又吉直樹さん(36)が2017年5月11日、同日発売の自身2作目となる小説『劇場』(新潮社)の「劇場お渡し会」を都内で行なった。
今回、初の「恋愛モノ」に挑戦した又吉さん。取材陣からはプライベートの「恋愛事情」についての質問が飛び交った。また、ニューヨークへの移住を宣言していた相方・綾部祐二さん(39)の近況も明かした。
初版「30万部」
又吉さんは15年7月、自身初の長編小説『火花』で第153回芥川賞を受賞。単行本『火花』は253万部、文庫30万部の累計283万部のベストセラーとなった。
17年3月7日発売の文芸誌「新潮」4月号(新潮社)で新作『劇場』を発表すると、同誌では異例の「増刷」。満を持しての発売となる単行本は、新潮社で歴代2番目となる初版「30万部」を発行する。
本作は、「演劇と恋愛」をテーマにした人間模様が描かれている。記者から、自身の恋愛経験を参考にしたのか、との質問に又吉さんは、
「僕の話ですって言ったら嘘になってしまいます。けれど、もちろん僕の経験や見てきた事が入っているので、どちらともいえない。主人公は僕でもあって僕でもない」
と意味深な回答。
綾部の本格移転は...
書き終えての感想を聞かれると、
「恋愛が分からないからこそ書きたかったものの、やっぱり分からないところが多い。難しいもんやなと思っています」
とポツリ。執筆中は多忙を極めていたため、今後は「デートはいっぱいしてみたい」とも漏らした。
現在、ニューヨークで生活の基盤を作っている最中で5月中か6月には本格移転するという相方・綾部さんからは、まだ小説の感想は届いていないとし、
「綾部は本を読むのが苦手なので、『無理せんでええで』と言ったんですけど...火花の感想は『長かった』だったので、今回はより長くなっているから、なんて言われるでしょうね」
と笑いを誘った。
早くも注目が集まる3作目については、すでにいくつか構想があるとし、「継続して(執筆活動を)やりたい」と期待をにじませた。