慰安婦合意、やはり「再交渉」要求するのか 文在寅新大統領が探る「落としどころ」

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合意破棄すれば「韓日関係そのものが完全に破綻」

   韓国国内からも、メディアを中心に文氏の主張が現実的でないという主張が出ている。朝鮮日報は16年12月17日の「慰安婦合意・GSOMIA破棄、文在寅氏は守れない約束をするな」と題した社説で、合意について

「国際社会と結んだ約束であり、締結からすでに1年近くが過ぎた。これを今になって破棄するとなれば、韓日関係そのものが完全に破綻するだろう」

と警告。

   聯合ニュースも文氏の大統領当選後の17年5月10日の記事で、

   「韓国政府がこれ(日本側が再交渉に応じない方針)に対抗し、一方的に再交渉を推進したり、合意を破棄したりすれば、現実的に一定程度の外交的負担を甘受しなければならない」として「解決策は単純ではない」と指摘。その上で、次のように、時間をかけて落としどころを探るとの見方を示している。

「慰安婦合意について性急に政策を進めた場合、日本と正面対決になり、新政府が取り得る政策の幅が狭くなる恐れもある。そのため、文政権は今後『再交渉』『追加交渉』『破棄』など合意をめぐる様々なシナリオを念頭に置いて外交戦略を模索し、国民と意思疎通を図るとみられる」

   文氏は、首相に李洛淵(イ・ナギョン)全羅南道(チョルラナムド)知事をあてる人事も発表。李氏は東亜日報の東京特派員を務めたこともあり、国会議員転身後は韓日議員連盟副会長を務めた。こういった「知日派」を重要ポストに置くことで、対日関係に配慮した可能性もある。

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