元大阪市長の橋下徹さん(47)がツイッターで、マンガ家の小林よしのりさん(63)について、「やっぱり小林よしのりはバカだった」と批判を展開した。
両者が出演した討論番組を巡って、小林さんがブログで「あまりに橋下の言うことがデタラメ」と批判した事への反発と思われる。橋下さんは「バカ」発言の根拠を「人の話を理解する能力が欠如しているし自分が絶対的に正しいと勘違いしている」としたことについて、ネット上に「そんなもんお互い様だろ!」といった意見が多く出る事になった。
「このような番組に出ることは、わしの良心が疼くので、もう出ない」
2人が出演したのは2017年5月8日放送の討論番組「橋下×羽鳥の番組」(テレビ朝日系)。この日は政治家の「失言」がテーマだった。この放送内容を巡り翌日の9日にネット上で「場外乱闘」が起こった。小林さんはブログで番組と橋下さん批判を展開し、自分の発言が橋下さんの都合のいいようにカットされ、さらに、橋下さんのデタラメな発言部分を放送していなかった、とした。
例としては07年6月30日に久間章生元防衛相が千葉県柏市での講演で、米国が広島、長崎に原爆を投下したことを「あれで戦争が終わったという整理の中で、しょうがないと思う」と発言したことについて、橋下さんが、
「『日本の政治家は原爆投下の米国の罪を延々と言い募るつもりか?外交上、仕方がないと思わなければならないのだ』と主張した」
と小林さんは書いた。少なくとも日本人の方から、原爆投下は止むを得ないと考えてはならないし、それは国際法の進化に背を向けることになると、主張したが、こうした一連のやり取りはカットされた、と小林さんは主張した。他にもそういう部分が多々あった、とも。
「わしは橋下羽鳥の番組に出ると、ヒヤヒヤする。あまりに無茶苦茶な意見を橋下が言うからだ」
とし、
「橋下をヒトラーに育て上げる危険性に気づくべきだ。このような番組に出ることは、わしの良心が疼くので、もう出ない」
と結んだ。
これを受けて同日に橋下さんはツイッターで、
「やっぱり小林よしのりはバカだった。人の話を理解する能力が欠如しているし自分が絶対的に正しいと勘違いしている」
と怒りを露わにした。
「そんなもんお互い様だろ」
橋下さんは小林さんについて、日本の戦争を自衛戦争だと完全に正当化し、アメリカの原爆投下だけを非難する矛盾に気付いていないし、自分のロジックである「為政者は両行為について反省し、国民は和解する」ことが理解できない、と斬った。そして、
「小林は現実の政治の悩みなどを全く気にしない無邪気な乳幼児のよう。番組で憲法論をはじめ現実の政治を少しは教えてやろう思ったがもう出演しないだって」
と皮肉った。
J-CASTニュースが放送された番組を確認したところ、久間元防衛相のくだりでは、小林さんの、
「こんな自虐的史観は認められない」
との発言に対し橋下さんは、
「国際社会はこんな感じ(原爆が落とされたから戦争が終わったとの理解)になっている」
としたうえで、16年5月27日にオバマ元大統領が広島を訪れたことについては、
「悔しくてしょうがないですよ」
とした。それは日米が原爆問題で和解し未来に踏み出そうという演出になっていたからで、
「僕の立場は、日本が悪い事をしたなら認めるけれども、他国も同じ基準で悪い事をしたなら、お前らが偉そうにそんなことを言うなよ!」
と語っていた。もちろん小林さんが書いているように、このあとどんなやり取りがあったかは全て放送されていないので分からない。
どちらの主張が正しいのかは番組のノーカット版を見ない事には判断できないが、ネット上では橋下さんの「バカ」発言と「人の話を理解する能力が欠如しているし自分が絶対的に正しいと勘違いしている」という事に注目が集中し、
「そんなもんお互い様だろ」
「まあ小林よしのりはホントに馬鹿だからな」
「有利な場所でしか戦えない負け犬は橋下 。小林はわざわざアウェイに出向くだけマシ。しかしカットしまくりは醜いw」
「論争を聞いてたら小林よしのりに論破されてた感じ」
などといった感想がツイッターや掲示板に出ている。