高い効果が期待されるものの薬価も高額になっていることで話題となったがん治療薬「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」を欧米で販売する米製薬企業ブリストル・マイヤーズ スクイブは2017年5月8日、同治療薬が欧州で治療中または治療後に進行した「頭頸部扁平上皮がん」の治療薬として承認されたと発表した。
日本でも3月に再発や転移のある頭頸部がんを保険適用とすることが承認されている。
2月には緊急値下げで半額に
「頭頸部がん」は口や鼻、喉といった頭頸部内の粘膜表面を覆う「扁平上皮細胞」から発生するがんで、ブリストル・マイヤーズ スクイブの報道発表によると世界で7番目に多いがん。転移したステージⅣ(末期)では、5 年生存率は4%未満と報告されている。
オプジーボは患者本人の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化する「PD-1免疫チェックポイント阻害薬」。いくつかの重篤な副作用も確認されているものの、複数のがんに対する治療効果が期待できることから、日本では「皮膚がん(悪性黒色腫)」や「肺がん(非小細胞肺がん)」、「腎細胞がん」、「血液がん(悪性リンパ腫)」が保険適用されており、米国では「尿路上皮がん」も適用となっている。
国内では開発企業でもある小野薬品工業(大阪府大阪市)が販売しているが、100ミリグラムあたり70万円以上となる高額な薬価(年間で約3500万円)が医療保険財政を圧迫する懸念が高まり、2月に50%の緊急値下げが行われた。