コイは「侵略的外来種」にも認定されている
養殖魚のニシキゴイだけでなく、コイ自体も国際自然保護連合が定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれている。これは、本来の生育地以外に侵入した生物の中で、特に生態系や人間活動への影響が大きい種をリスト化したものだ。
このリストの中で魚類は8種だけ。コイのほかには、日本固有の生態系を破壊するとして国内でも大きな問題となった「オオクチバス(ブラックバス)」などが選ばれている。上述したブログでもこの点には触れており、Mistirさんはコイの放流について、
「世界レベルでブラックバスと同列に扱われているような生態系への負担の大きい魚を、喜々として放流しているに過ぎない」
と厳しく指摘している。
このように、コイの放流を強い語調で批判したこのブログ記事はネット上で注目を集め、ツイッターには、
「ブラックバスの放流の問題が一般にも浸透してからかなりたっているにも関わらず、ニシキゴイの放流がよしとされる頭の悪い世の中...」
「このご時世においてもこんな生態系狂わす行為が行われている事の方に驚く」
「自然を守りたいのに、なんでわざわざ不自然なことをしてしまうんだろ」
との声が相次いだ。
では、Mistirさんが指摘した「コイ放流の危険性」について、専門家はどう見るのか。岐阜大学地域科学部の向井貴彦准教授は5月9日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「観光地の水路や日本庭園の観賞用の池など、人間が管理できるところにコイを放流することは全く問題がありません。ですが、自然の川にそのまま放流するのは、色々な面で問題があります」
と話す。