出版社を激怒させた「謎の海賊版サイト」
「大雑把な数字ですが、1万点ほどの作品が違法にアップロードされたとみています。他の出版社とも協力して、弁護士と対応を検討していたところでした」
9日、J-CASTニュース編集部の取材に対し、講談社の担当者はこう説明する。
フリーブックスなるサイトは、2016年末ごろからその存在が確認されていた。一応、ユーザーが自作のコンテンツを投稿できるサービス、という立てつけを取っていたものの、現在確認できるアーカイブには、そうした作品はほとんど見当たらず、ほとんどは出版社から公刊されている書籍ばかり。
そのラインアップを見ると、漫画単行本はもちろん、「ジャンプ」「マガジン」などの週刊少年誌、さらには「男の隠れ家」のような大人向けの雑誌、新書、そしてアダルト作品まで、実に多種多様だ。サイトのデザインもなかなか洗練されており、一見すると出版社や書店などのものと遜色ない。そして、すべてが無料なのである。
もちろん、出版社としてはたまったものではない。
「同サイトで行われていたことは、著者の権利を踏みにじり、正当に書籍・雑誌を購入した読者が損をする許しがたい行為です」(講談社広報室のコメントより)
講談社や小学館など、大手出版社は連携を取りながら、刑事・民事での法的措置を視野に入れ、対応の準備をすでに進めていた。一方ネット上では5月1日、はてな匿名ダイアリーにその問題点を指摘する記事が公開され話題となり、その後サイトはつながりにくい状態に。そして3日、サイトは突如消滅した。