せっけんについてのさまざまな情報を提供するウェブサイト「石鹸百科」は、洗濯用洗剤のすすぎに関する検証を行い、このほど、その結果を発表した。
洗濯用洗剤は「すすぎ1回」をうたう製品が主流になっているが、同サイトの検証では「3回すすいでも洗剤成分が残留している」ことが分かったという。
生活と科学社のウェブサイト「石鹸百科」が検証
「石鹸百科」は「せっけんの上手な使い方や正しい知識をはじめとする、せっけん生活に役立つさまざまな情報を提供する情報サイト」で、生活と科学社(大阪府茨木市)が運営している。2017年5月9日に今回の検証の結果を発表した。
洗濯用洗剤の主成分は、洗浄作用のための界面活性剤で、長時間の使用により肌荒れなどを起こすなどの刺激性を持つ。洗浄した衣類に残留しないようすすぎは重要な役割を持つ。
「石鹸百科」では、すすぎができているかを見分ける方法として酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使って検証。「過炭酸ナトリウムは界面活性剤や汚れに反応し激しく発泡する。洗濯後に洗剤が残留していなければ、過炭酸ナトリウムは発泡などの反応を示さないはず」という。
テストは、縦型全自動洗濯機を使って、水温30度の水を注水すすぎで洗濯。洗濯物は一般家庭を想定し綿や化繊の衣類。洗剤は「すすぎ1回」をうたっている合成洗剤3種類以上を対象にし、洗剤濃度はメーカー指示に従ったという。その結果「『すすぎ1回』どころか、3回すすいでも洗濯液はきれいにならず、十分にすすげていないことがわかった」という。
生活と科学社は、消費者の立場にたった生活用品の商品開発と販売を行う一方、「より環境負荷が少ない」として「界面活性剤を使わないアルカリ洗浄剤」普及活動に従事しており、ウェブサイトなどで情報発信を行っている。